日本では4人に1人が薄毛なのだそうだ。
これは男性だけの話ではなく、女性や子供だって他人事ではない。
しかもどういうわけか、日本の薄毛率はアジアで一番高いのだそうで、近頃の我が国がいかにストレス社会かってことがよくわかる。
それとも他に何か原因があるのか?
薄毛はただ見た目の問題だけでなく、精神的なストレスにもつながる。
それが生活の質を低下させたり、不安神経症やうつ病へといらせることもあるなど、結構深刻だ。
だが、ようやく救世主到来したのかもしれない。
確実で、コントロール可能な髪の再生方法が開発されたそうだ。
ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)を利用して、皮膚に自然な髪の毛を成長させるのだ。
■ヒトiPS細胞由来の皮膚乳頭を使った発毛実験
じつはすでに2015年、米スタンフォード・バーナム・プレビーズ研究所のアクレセイ・タースキク氏が、ヒトiPS細胞を使ってマウスに毛を生えさせることに成功していた。
この発毛法の鍵を握るのは「皮膚乳頭」だ。
これは毛包の中にある細胞で、髪の毛の太さや長さ、成長サイクルといった髪の毛の基礎となっている。
そこで実験では、ヒトiPS細胞から皮膚乳頭を成長させ、これをマウスに移植。
すると皮下からの発毛が確認された。
しかし、このときはこのプロセスをきちんと制御できないという難点があった。
■ 生分解性3D足場で髪を導く
今回は、そうした実用化を妨げていた技術的な問題点をクリアしている。
タースキク研究室のアントネッラ・ピント氏が国際幹細胞研究学会(ISSCR)で行なった発表によれば、自然に溶ける手術用の糸と同じ素材で作られた生分解性3D足場を利用するのだという。
この足場が髪が成長する方向を指し示し、細胞が皮膚に融合するのを助ける。
しばらくして足場が自然に分解されると、そこにしっかりとした健康な毛だけが残り、普通の毛と同じように成長するのだ。
この方法には、確実に毛を生やすことができる以外、血液を採取して、そこからiPS細胞を作ることで、いくらでも皮膚乳頭細胞を確保できるというメリットもある。
■ 実用化へ向けて一歩前進
なお今回の成果は、ヒト皮膚乳頭をマウスの上皮細胞に結合させ、これを体毛のないヌードマウスの皮膚に移植するというプロセスで行われたものだ。
研究チームは現在、皮膚乳頭細胞と上皮細胞のどちらもヒトiPS細胞由来のものを使って発毛させる方法の確立に取り組んでいる。
実用化されるまであとどのくらいかかるのかはわからない。
だが、ついに薄毛根絶へ向けたカウントダウンが始まったんじゃないかな。
http://karapaia.com/archives/52276613.html