https://www.nikkei.com/article/DGXMZO46829880S9A700C1000000/
米アプライドCEO「技術革新早める」 日立系買収で
2019年7月2日 1:00
半導体製造装置世界最大手の米アプライドマテリアルズ(AMAT)は1日、旧日立製作所系の装置メーカー、KOKUSAI ELECTRIC(東京・千代田)を買収すると正式発表した。ゲイリー・ディッカーソン最高経営責任者(CEO)らは電話会見を開き、KOKUSAIの買収の意義について「技術革新の速度を早め、株主価値を大きく高められる」と強調した。
買収総額は約22億ドル(約2380億円)でEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)の7.3倍に相当する。ダン・ダーン最高財務責任者(CFO)は「半導体製造装置業界で起きた最近のM&A(合併・買収)と比較しても非常に魅力的な水準だ」と指摘。そのうえでKOKUSAIの業績が2016年度から18年度にかけて、売上高が年率20%超のペースで増え、売上高営業利益率が17.5%から21%に改善したことを明らかにした。
KOKUSAIと同業大手のオランダのASMLとの間で起きた特許侵害問題についても言及した。すでに一部の訴訟は解決の見通しがたっており、「残る仲裁手続きも2社の話し合いで数カ月以内に解決することを期待している」(同社)とした。買収に向けて大きな障害にはならないとの見方を示した。
AMATとKOKUSAIが今後直面する課題の一つが各国での独禁法審査だ。今回の買収では中国や韓国など6カ国で当局の審査を受けるという。ディッカーソンCEOは「当社は中国での長い事業経験があり、規制当局に今回の買収を公平に扱ってもらえると考えている」と語った。1年以内に買収手続きの完了を目指す。