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日本取引所、東商取のTOB開始を延期 統合計画は維持も買収価格で溝
2019年6月28日 20:00
日本取引所グループ(JPX)は28日、東京商品取引所に対するTOB(株式公開買い付け)の開始を7月以降に延期すると発表した。6月末にTOBを開始する予定だったが、価格で合意できなかった。ただ10月の完全子会社化や来年度上期の総合取引所発足という予定は維持する。
焦点となったのは東商取株のTOB価格だ。東商取の3月末時点の純資産は約48億円。ここ数年で新規上場した商品の不振で4期連続の最終赤字を計上していた。このためJPXは厳しい業績に見合ったTOB価格を求めている。
一方、東商取は早ければ今夏にも電力先物を上場させる。大手電力会社などの需要が見込めるとして、東商取側は今後の収益性が改善するという前提でのTOB価格を掲示している。関係者によると、両社が希望する価格には最大で2倍以上の隔たりがあるもようだ。27日深夜にかけて交渉を続けたが、合意できなかった。
両社は3月、東商取がJPXの傘下に入る形で統合し、来年度上期にも総合取引所を発足させることで基本合意していた。6月中にTOBを開始して10月にJPXが東商取を完全子会社化する方針で交渉を続けていた。
今後は7月中のTOB価格決定を目指す。TOBの手続き自体は1カ月程度で済むため、10月の完全子会社化のスケジュールは変更しない。