福岡市早良(さわら)区百道(ももち)の市道交差点付近で起きた多重衝突事故で、
福岡県警は事故を起こしたワゴン車について「不具合はなかった」と結論付ける方針を固めた。
捜査関係者への取材で17日、明らかになった。県警が同日、メーカーや国土交通省九州運輸局とともに
車体を分解して調査したところ、ブレーキやアクセル、ハンドルなど車の制御に関わる主要部分に異常はなかった。
ワゴン車は2000年式と古かったが、4月に車検を更新したばかり。事故後の調査でも異常が見つからなかったことで、
県警は今後、ワゴン車で逆走し、猛スピードで交差点に突っ込んで死亡した小島吉正さん(81)=同区原3=の運転に
過失がなかったかに捜査の焦点を当てる。
県警などによると、司法解剖の結果、小島さんに心臓発作や脳梗塞(こうそく)など事故につながる突発性の病気は
確認されなかった。また、血液検査によりアルコールや薬物の影響も認められなかった。県警は小島さんが最初の
追突事故直後に何らかの原因で意識を失ったか、アクセルとブレーキを踏み間違えたかなどして暴走した可能性も
あるとみて、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑での立件を検討する。
事故は4日午後7時5分ごろ発生。小島さんのワゴン車が交差点約700メートル南で乗用車に追突した後、
逆走して対向車2台と接触し、交差点でも車2台に玉突き衝突。小島さんと同乗の妻(76)の2人が死亡し、
歩行者1人を含む男女7人が重軽傷を負った。
暴走し事故を起こした車を調べる鑑識官=福岡市早良区で2019年6月5日午前10時43分
