iPS細胞でミニ肝臓、病気再現に成功 治療に活用
朝日新聞デジタル 2019年5月31日0時0分
https://www.asahi.com/articles/ASM5X6KL8M5XULBJ01J.html
iPS細胞を使い、肝炎の状態を再現した「ミニ肝臓」を、東京医科歯科大の武部貴則教授らが作製した。
iPS細胞から作った「臓器」で病気を再現したのは初めて。
体内に近い状態を外部で観察でき、病気の仕組みの解明や治療薬探しに生かせるという。
論文は31日、米科学誌セル・メタボリズムに掲載される。
研究グループは、人間のiPS細胞を元に、複数の細胞からなり、臓器特有の働きを持った直径0・2ミリの「ミニ肝臓」を作った。
炎症などを引き起こす肝星細胞やクッパー細胞という細胞も一緒に作ることで、肝臓に脂肪がたまって炎症を起こす
「非アルコール性脂肪肝炎(NASH(ナッシュ))」の状態を再現できる。
NASHは、飲酒の習慣がなくても発症する。患者は近年増加しており、国内に数百万人いると推定される。
進行すると肝硬変や肝がんにつながるおそれもあるが、発症の仕組みはわかっていないことが多く、有効な治療法がないという。
今回作ったミニ肝臓に脂肪酸を加えると、脂肪が蓄積し、肝硬変と同じように硬くなった。
また、ある化合物を加えたところ、脂肪の蓄積が抑えられたことも確認できた。
武部さんは「iPSから『ミニ臓器』を作れば、難しい病気も再現できる。将来は肺や腸などにも応用できる可能性がある」と話している。
◇ iPS細胞から作った「ミニ肝臓」で治療薬を探すイメージ
朝日新聞デジタル 2019年5月31日0時0分
https://www.asahi.com/articles/ASM5X6KL8M5XULBJ01J.html
iPS細胞を使い、肝炎の状態を再現した「ミニ肝臓」を、東京医科歯科大の武部貴則教授らが作製した。
iPS細胞から作った「臓器」で病気を再現したのは初めて。
体内に近い状態を外部で観察でき、病気の仕組みの解明や治療薬探しに生かせるという。
論文は31日、米科学誌セル・メタボリズムに掲載される。
研究グループは、人間のiPS細胞を元に、複数の細胞からなり、臓器特有の働きを持った直径0・2ミリの「ミニ肝臓」を作った。
炎症などを引き起こす肝星細胞やクッパー細胞という細胞も一緒に作ることで、肝臓に脂肪がたまって炎症を起こす
「非アルコール性脂肪肝炎(NASH(ナッシュ))」の状態を再現できる。
NASHは、飲酒の習慣がなくても発症する。患者は近年増加しており、国内に数百万人いると推定される。
進行すると肝硬変や肝がんにつながるおそれもあるが、発症の仕組みはわかっていないことが多く、有効な治療法がないという。
今回作ったミニ肝臓に脂肪酸を加えると、脂肪が蓄積し、肝硬変と同じように硬くなった。
また、ある化合物を加えたところ、脂肪の蓄積が抑えられたことも確認できた。
武部さんは「iPSから『ミニ臓器』を作れば、難しい病気も再現できる。将来は肺や腸などにも応用できる可能性がある」と話している。
◇ iPS細胞から作った「ミニ肝臓」で治療薬を探すイメージ