https://www.asahi.com/articles/ASM5X55S5M5XULBJ00V.html
東電ミスで排気筒解体を延期 福島第一、クレーン届かず
東日本大震災8年 有料記事
杉本崇、石塚広志
2019年5月30日20時10分
政府と東京電力は30日、福島第一原発で、倒壊リスクのある1、2号機の排気筒の解体について、今月開始予定だった工事を2カ月延期すると明らかにした。作業用のクレーンの構造の確認を怠ったためといい、汚染水対策をはじめ、今後の様々な作業にも影響が出るおそれがある。
高さ120メートルの排気筒は8年前の原発事故で外部に放射性物質を含む水蒸気を放出する「ベント(排気)」に使われた。損傷が見つかったが、周辺の線量が高く、放置されてきた。
東電は倒壊や、部品の落下を防ぐため上半分の撤去工事を20日に始める予定だった。だが直前になって、クレーンが解体のための作業用装置を計画より1・6メートル低くしかつり上げられず、排気筒の上部に届かないことが判明した。
東電は、原因について当初「計器の誤差と考えられる」と説明していたが、その後「クレーンのワイヤの巻き上げ過ぎを防ぐ安全装置の場所を、実際より高い位置にあると思い込んで計画していた。ワイヤは計画した高さまで巻き上げられなかった」と変更した。実際のクレーンの詳しい設計図を確認せず、一般的なクレーンの構造をもとに計画書を作ったためという。
「厳しい状況はわかるが、事前…
残り:540文字/全文:1032文字
東電ミスで排気筒解体を延期 福島第一、クレーン届かず
東日本大震災8年 有料記事
杉本崇、石塚広志
2019年5月30日20時10分
政府と東京電力は30日、福島第一原発で、倒壊リスクのある1、2号機の排気筒の解体について、今月開始予定だった工事を2カ月延期すると明らかにした。作業用のクレーンの構造の確認を怠ったためといい、汚染水対策をはじめ、今後の様々な作業にも影響が出るおそれがある。
高さ120メートルの排気筒は8年前の原発事故で外部に放射性物質を含む水蒸気を放出する「ベント(排気)」に使われた。損傷が見つかったが、周辺の線量が高く、放置されてきた。
東電は倒壊や、部品の落下を防ぐため上半分の撤去工事を20日に始める予定だった。だが直前になって、クレーンが解体のための作業用装置を計画より1・6メートル低くしかつり上げられず、排気筒の上部に届かないことが判明した。
東電は、原因について当初「計器の誤差と考えられる」と説明していたが、その後「クレーンのワイヤの巻き上げ過ぎを防ぐ安全装置の場所を、実際より高い位置にあると思い込んで計画していた。ワイヤは計画した高さまで巻き上げられなかった」と変更した。実際のクレーンの詳しい設計図を確認せず、一般的なクレーンの構造をもとに計画書を作ったためという。
「厳しい状況はわかるが、事前…
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