三菱UFJ銀行は28日、利用者の本人確認をする他社向けに自行の口座情報を提供すると発表した。邦銀初となるサービスで、30日から始める。クレジットカードの発行申込時などに、利用者本人の同意をもとに三菱UFJ銀が利用者の生年月日や住所を申込先企業に提供する。従来は、利用者本人の申請であるかどうかを書類の郵送で確認する必要があった。利用者にとっては手続きが早く、簡単になる。
利用者は、クレジットカードの発行を申し込んだり証券会社に口座を開いたりする際、ネット上の申請フォーマットで自分の本人確認に関する情報を三菱UFJ銀が提供するのを認める意思を示す。書類の郵送で数日〜1週間かかっていた本人確認が即時でできるようになる。
利用者本人だけでなく、企業側も郵送の手間や費用を省くことができる。三菱UFJ銀の新サービスは、外部システムと結んだ「API」と呼ぶ技術仕様を活用する。ネット上での本人確認の完結は、2018年11月の法改正を受けて可能となった。
三菱UFJ銀は金融機関以外の幅広い企業に対して口座情報の提供を検討する。例えば、結婚相談所に対して相談者の同意の上で給与情報を渡し、仲介を効率化することなどを想定する。
2019年5月28日 20:00 日本経済新聞
https://r.nikkei.com/article/DGXMZO45370150Y9A520C1EE9000?s=3