>>23の続き
大塚久美子まとめ その2
2006年2月1日〜23日のあいだ大塚家具は自社株買いを行なった。
これは久美子が会長の勝久氏に強く進言したのを受けてのものだった。
名目は「乗っ取り防止」。
外資系ファンドなどが株を大量取得し、経営に口を出してくるのを防ぐのに持ち株を増やしておくべきだと強く主張する久美子。
大学で経営学を学び、MBAまで取得した優秀な娘の言うことに従い、勝久氏は自社株15万7300株を買い増したのだ。
実際の指示は当然社長の大塚勝之(長男)が行なった。
続いて久美子は配当予想の修正を行うべきと進言する。
これが、久美子と外資系ファンドによって巧妙に仕組まれた罠であることにはこの時点では誰も気づいていなかった。
翌2007年、大塚家具はこの時の自社株買いの一部に関して証券監視委にインサイダー取引を指摘されることになる。
意図的に安値で買おうとした事実はなく、ただの法令錯誤であったと証券監視委も認め、約3000万円の課徴金納付命令の処分で済んでいる。
この処分を受けて久美子は
「社長自ら辞任すれば世間は大塚家具に対してクリーンな会社だというイメージを持ってくれる」
と強く主張し、社長(勝之氏)の辞任を強く迫る。
会長(勝久氏)と社長(勝之氏)もこの正論に抗えず、勝之氏は社長の座を降りることになる。
勝久氏が知らないところでインサイダー取引が行われたということで、久美子はコンプライアンス確立と同族経営脱却、及び相続対策を表向きの理由に別会社設立を勝久氏に訴える。
具体的には、資産管理会社の設立と社外取締役の受け入れ。
勝久氏は仕方なく了承し、久美子は大塚家具の持ち株会社「ききょう企画」を立ち上げ、自身がききょう企画の代表取締役に就任する。
ききょう企画は、大塚一族の持つ大塚家具の株式を買取り、代わりに社債を発行する仕組み。
勝久氏は130万株をききょう企画へ譲渡し、代わりに15億円分の社債(2013年4月までの期限付き)を受け取る。
(実はこれは勝久氏の持つ議決権を奪うのが真の目的だった。)
この時点でききょう企画が筆頭株主になっており、また久美子派の社外取締役が2人就任。久美子が社長になる布石は着実に出来ていった。
ききょう企画の取締役として再び大塚家具に出入りするようになった久美子は
それまで年間700億あった売り上げをわずか1年で500億まで減少させた。
(のちに久美子はこの時の売り上げ減少を勝久のせいにし、2015年の株主総会で濡れ衣を着せる)
つづく