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防衛省は2022年度、自衛隊内に「宇宙部隊」を発足させる
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逮捕されたアサンジ容疑者(ロイター)
ロンドン警視庁は11日、保釈中に裁判所に出廷しなかった疑いなどで、機密情報リークの専門サイトであるウィキリークスの創設者、ジュリアン・アサンジ容疑者(47)を逮捕した。
アサンジ容疑者は、米議会の議員や、ヒラリー・クリントン国務長官(当時)など、要人の通信記録や情報をネット上にリークした。2016年米大統領選でのドナルド・トランプ氏の勝利に寄与したといわれる。
トランプ大統領はせっかく「ロシアゲート」疑惑から解放されたのに、今後、どんな情報をリークされるか分からない。
アサンジ容疑者を逮捕した英国は、米国やカナダ、オーストラリア、ニュージーランドとつくる、最高機密情報の共有網「ファイブ・アイズ」の1つである。「ファイブ・アイズ」にとっては、自分たちの秩序を乱すアサンジ容疑者は放置できない存在だったのだ。
そのインテリジェンス・コミュニティーに、日本も参加する兆しが出てきた。
アサンジ容疑者が逮捕された同時期、自衛隊がファイブ・アイズと協力して、宇宙状況の監視網を築くという記事が流れた。無論、対象国は中国である。
中国は07年に衛星破壊実験を行い、近年も宇宙関連技術の開発を急速に進めている。1月には初めて月の裏側に無人探査機を着陸させた。これに対し、米国は20年までに宇宙軍を創設する予定である。
米中の宇宙をめぐる覇権争いは激化すると考えられ、米国の同盟国である日本も22年度に自衛隊に100人規模の部隊を発足する。山口県内に専用レーダーを配備し、収集した情報分析拠点を東京都内に置く。
昨年12月に閣議決定された、新たな防衛力整備の指針「防衛計画の大綱(防衛大綱)」では、宇宙分野での能力強化を打ち出した。米空軍宇宙コマンドが主催した多国間机上演習「シュリーバー・ウォーゲーム」に昨年10月、日本も初めて参加した。
ワシントンで19日に開催される日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)でも、宇宙分野での協力が論議される。日本は、宇宙での米中の覇権争いに情報面でも参画することになる。
こうした動きは、日本が将来、宇宙分野だけではなく、その他の分野でもファイブ・アイズに協力することになるのであろうか。
情報の分野は、(1)イミント(偵察衛星や偵察機による写真偵察)(2)シギント(電波や電子信号傍受による情報収集)(3)ヒューミント(人間による情報収集)(4)カウンターインテリジェンス(防諜、外国の諜報活動への対抗策)−などに分けられる。宇宙分野での情報活動は、主に(1)や(2)に当たるが、今後(3)や(4)にも活動協力領域が広げられる可能性もある。
そうなれば、日本の安全保障上、強力な体制が築かれることとなろう。ただ、それ以前に、日本にもファイブ・アイズ諸国並みの「情報機関の創設」と、それに見合う法整備が必要となろう。