FNN PRIME 2019年4月15日 月曜 午後1:10
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ホームをよじ登る2人の人物と、線路上を移動する人物。これは4月11日の午後10時40分頃、京都のJR山科駅で撮影されたとみられる動画。
JR西日本によると、上り方面に向かう電車がホームに到着する直前、男性が線路上に転落。一般人が助けに向かったとみられる。
この動画の撮影者は、めざましテレビの取材に対して「駅員が『絶対にホームに降りるな』と
注意しているにも関わらず、無視して線路へと降りていった。『全員電車にひかれてしまうぞ!』と現場で強く感じた」と、当時の状況について語った。
線路立ち入りに賛否の声
すると動画を見た人たちからは、さまざまな反応が。
「自分の危険も顧みず真っ先に助けに降りた彼らはとても勇敢だし、簡単なことではないからこそ、やってのけた彼らは賞賛すべきだと思います」
「今回は運が良かっただけでホームから降りたヤツら全員跳ねられたなんて最悪のケースも有り得る」
山科駅を実際に確認してみると..
今回、動画が撮影されたとみられるのは、京都駅から電車でおよそ5分の場所にある、JR山科駅。
男性が転落した当時、何が起きていたのか?実際にホームを見てみると…等間隔で非常停止ボタンが設置されている。
一方、駅のホームにはホームドアがなく、ホーム下に『退避スペース』もないように見える。
そこで改めて、動画を確認すると…救助に向かったとみられる一般人が小走りで線路上に落ちている靴を拾い上げてホームに投げる姿や…
電車がまさにホーム直前で停車した様子が確認できる。
過去には救助のために線路に立ち入りをして死亡したケースも
しかし、過去には線路上の人を助けようとして、巻き添えになったことも・・・
2001年には、東京のJR新大久保駅でホームから転落した男性を助けようと線路に降りた2人の男性が電車にひかれ、3人とも死亡。
2012年には、埼玉県本庄市・JR高崎線の踏切でしゃがみこんでいた男性を助けようと女性が駆け寄るも、快速列車にはねられ2人とも死亡した。
「絶対に線路に立ち入らないでほしい」
今回の動画の冒頭の音声をもう一度よく聞いてみると…
「当駅では非常ボタンが発動しております。ただちに係員まいりますのでお客様は絶対に線路のほうに降りないようにお願いいたします」
鳴り響くサイレンとともに、『係員が対応するので、線路には絶対おりないで』というアナウンスが。
JR西日本によると、線路内に人が立ち入った場合の対応として、
『必ず非常停止ボタンを押して、駅係員を呼ぶ』
『二次被害を防ぐため線路には立ち入らないでほしい』
としている。
SNS上でも『勇敢だ!』『二次被害の危険性があった!』などと、今回の一般人の救助活動には賛否が分かれている。
基本的には違法だが…
では、一般人が救助の為に、線路に立ち入った場合、罪に問われる可能性はあるのか?
レイ法律事務所・橋知典弁護士は
「鉄道営業法で基本的には違法になります。科料が1万円以下に定められていたかと思います。
ただ線路の中に救助の為に立ち入ったということであれば日本の法律では緊急避難と言って立ち入ったこと自体は
違法にならない可能性が高い」と話した。
また、鉄道アナリストの川島令三氏によると
「2002年に救助隊員が救助活動中に列車に跳ねられて死傷事故が発生した。その後、現在は安全確認がされないと、駅係員も線路には降りない」と話した。