インターネット通販大手のアマゾンジャパンが、同社サイト内の全商品で購入額の1%以上をポイントとして還元する新サービスの導入を撤回した。
ポイントの原資を出品者に負担させる方式を公正取引委員会が問題視して取引の実態調査に入ったことで、撤回に追い込まれた形だ。同様の方式は楽天やヤフーなど国内ネット通販大手も実施しており、各社の戦略に影響を及ぼす可能性がある。
公取委は11日、アマゾンに対する調査をとりやめると発表した。同社のポイント還元の新制度が独占禁止法の禁じる「優越的地位の乱用」に当たる可能性があるとみていたが、アマゾンの対応を踏まえて振り上げた拳を降ろした。
アマゾンは2月、アマゾンとして直接販売する商品を対象にしてきたポイントの還元を、5月23日から外部の出品者が販売する商品にも拡大すると表明。しかし今回、一転してポイントの付与は出品者の任意とする一方、アマゾンの直販商品の大半にはアマゾンの負担でポイントを付与するとした。理由は示していないが「価値ある制度になるよう今後も革新を進める」とコメントした。
今後の焦点は同業への影響だ。公取委はアマゾンへの疑念から同社を含めた業界の一斉調査に乗り出しており、アマゾンの調査をとりやめる一方で、他社への調査を継続するかどうかは「コメントしない」と明らかにしなかった。
楽天やヤフーなどIT大手にとって、ポイントは戦略の根幹を担う。楽天は運営する通販サイト「楽天市場」で購入者に1%分のポイントを付けており、旅行予約サイト「楽天トラベル」など楽天が提供する多様なサービスで活用できるなど利便性が高い。ネット通販の競争が激化する中、ポイントでお得感を出す戦略は顧客を自らの経済圏に囲い込む上で重要だ。
公取委はポイント還元をめぐり、ネット通販大手が出品者の中小企業などに不利な取引条件や費用負担を強いていないかを注視しているとみられる。楽天やヤフーは公平性の高い通販サイト運営を自負するが、公取委に施策を覆されれば、ビジネスモデルの再構築を迫られる可能性がある。
2019年4月11日 19時18分
産経新聞
http://news.livedoor.com/article/detail/16302131/
ポイントの原資を出品者に負担させる方式を公正取引委員会が問題視して取引の実態調査に入ったことで、撤回に追い込まれた形だ。同様の方式は楽天やヤフーなど国内ネット通販大手も実施しており、各社の戦略に影響を及ぼす可能性がある。
公取委は11日、アマゾンに対する調査をとりやめると発表した。同社のポイント還元の新制度が独占禁止法の禁じる「優越的地位の乱用」に当たる可能性があるとみていたが、アマゾンの対応を踏まえて振り上げた拳を降ろした。
アマゾンは2月、アマゾンとして直接販売する商品を対象にしてきたポイントの還元を、5月23日から外部の出品者が販売する商品にも拡大すると表明。しかし今回、一転してポイントの付与は出品者の任意とする一方、アマゾンの直販商品の大半にはアマゾンの負担でポイントを付与するとした。理由は示していないが「価値ある制度になるよう今後も革新を進める」とコメントした。
今後の焦点は同業への影響だ。公取委はアマゾンへの疑念から同社を含めた業界の一斉調査に乗り出しており、アマゾンの調査をとりやめる一方で、他社への調査を継続するかどうかは「コメントしない」と明らかにしなかった。
楽天やヤフーなどIT大手にとって、ポイントは戦略の根幹を担う。楽天は運営する通販サイト「楽天市場」で購入者に1%分のポイントを付けており、旅行予約サイト「楽天トラベル」など楽天が提供する多様なサービスで活用できるなど利便性が高い。ネット通販の競争が激化する中、ポイントでお得感を出す戦略は顧客を自らの経済圏に囲い込む上で重要だ。
公取委はポイント還元をめぐり、ネット通販大手が出品者の中小企業などに不利な取引条件や費用負担を強いていないかを注視しているとみられる。楽天やヤフーは公平性の高い通販サイト運営を自負するが、公取委に施策を覆されれば、ビジネスモデルの再構築を迫られる可能性がある。
2019年4月11日 19時18分
産経新聞
http://news.livedoor.com/article/detail/16302131/