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転勤、本当に必要ですか? 原則廃止へ、ある損保の挑戦
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栗林史子、高橋末菜
2019年3月27日16時8分
全国に拠点はあるけど、会社の都合による転勤は原則ありません――。そんな方針を打ち出す会社が日本にも出てきた。夫の転勤を機に妻が退職を余儀なくされたり、転勤しない代わりに出世をあきらめなくてはいけなかったりと、会社員のキャリアと密接に絡む転勤制度。どうやって「原則転勤なし」を実現させようとしているのだろうか。
「転勤厳しい」と退職
AIG損害保険で支店長を務める小林広知さん(53)は昨年7月から、大阪でやっと家族と一緒に暮らせるようになった。それまでの8年間は、専業主婦の妻と3人の子どもを大阪に残し、東京などに単身赴任していた。帰れるのは月に1回ほど。「8年の間に受験などがあり、妻は大変だった」と振り返る。「子どもたちをリアルタイムで叱れる」という今を満喫している。
AIG損保は今年4月、「会社都合による転居を伴う転勤」を原則廃止する。昨夏に試験的に運用された際に小林さんは手を挙げ、大阪に住めるようになった。
同社で営業や損害査定などを担当する「レギュラー社員」は、3〜5年おきに全国に200カ所ある拠点間で転勤するのが通例だった。
しかし、数年前から目立つよう…
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