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石油元売り、3陣営へ=新事業、海外で競争−出光・昭和シェル、4月1日統合
2019年03月27日16時31分
石油元売り大手の出光興産と昭和シェル石油が4月1日に経営統合し、国内首位のJXTGホールディングス(HD)に次ぐ巨大元売り企業が誕生する。1980年代には十数社が競合した元売り業界は、コスモエネルギーホールディングスを含む3陣営に集約される。「これ以上の統合は考えにくく、石油業界の最終形」(杉森務JXTGHD社長)と指摘される中、3陣営は新規事業やアジアでの海外展開などを競っていく見通しだ。
ガソリンなど石油製品の国内需要は環境規制の強化や人口減が背景となり、99年以降、右肩下がりの基調が続いてきた。業界内には2040年に石油製品の需要が18年比で半減するとの予測もある。このため政府は、供給過剰による価格競争で元売り各社が体力をすり減らせば石油の安定供給にも支障が出かねないとして、精製能力の削減や再編を後押ししてきた。
こうした流れを受け出光と昭和シェルは15年7月、経営統合に向けた協議で合意。当初、17年4月までの統合を目指したが、大株主の出光創業家が反対したことで実現は大幅にずれ込んだ。出光は4月1日付で昭和シェルを完全子会社化し、元売り事業の統合も検討していく。出光は21年度に600億円の経営効率化を目指し、純利益2000億円の実現を目指す計画だ。