北欧ノルウェーの国会議員や駐日大使らの一行12人が22日、大阪市浪速区の大阪人権博物館(リバティおおさか)を訪れ、日本の人権状況などを学んだ。同国会家族・文化常任委員会の所属議員が中心で、被差別部落や在日コリアン、アイヌ民族などの現状の説明に熱心に耳を傾けた。
一行は、同館が「日本で唯一の人権問題の総合博物館」であることから来館。朝治武館長が日本の差別の歴史などを紹介すると、日本特有の差別である部落差別に特に関心が集まった。ヨーロッパでは近年、人種差別の再燃が懸念されており、同館のような学習施設の重要性を確かめ合った。
一方、大阪市の敷地返還要求、大阪府・市の補助金打ち切りで同館が存続の危機にあることを知ると、議員たちは日本の人権政策に疑問を呈した。
同委員会のクリスティン・ウルメン・ヨンセン委員長は「ノルウェーにも差別はあるが、人々の姿勢を変えるのに長い時間がかかる。法律で禁止するだけではかなわず、差別を学べる施設が重要だ。大阪人権博物館は非常に有意義な施設だと感じた」と話していた。【戸田栄】
毎日新聞 2019年3月27日
https://mainichi.jp/articles/20190327/ddl/k27/040/328000c?inb=ra