https://www.asahi.com/sp/articles/ASM3H6F8VM3HOIPE02Y.html
突然の金融支援要請 世界の「アケボノ」に何が起きた?
有料会員限定記事
友田雄大
2019年3月25日6時30分
経済インサイド
「主力のブレーキパッドは、世界の自動車の5台に1台で採用されています」。その統合報告書には誇らしげな言葉が記されている。独立系自動車部品メーカーの雄「曙ブレーキ工業」(本社・埼玉県羽生市)。「akebono(アケボノ)」のブレーキ部品は自動車レースの最高峰・F1や内外の有名メーカーにも採用される。そんな世界的な名門企業が資金難に陥ったことが1月、突然明らかになった。背景には、自動車業界の厳しい競争と、一寸先は闇ともいえる経営の「落とし穴」があった。
「曙ブレーキが事業再生ADRを申請」。そんなニュースが流れたのは1月30日。「ADR」は裁判外紛争解決の手続きのことで、それを活用して取引銀行に元本返済の一時猶予を求めるという。有利子負債は1千億円超にのぼる。年間売上高が2600億円超で、世界中の自動車メーカーを顧客に抱える大企業がなぜ、と業界に衝撃が広がった。
自動車部品業界の「理想型」
曙の社長を務めるのは信元久隆氏(69)。1990年に父から経営を引き継いでから約30年にわたりトップの座にある。日本自動車部品工業会会長や、トヨタ自動車の取引先部品メーカーでつくる「協豊会」会長も務めた自動車部品業界の「顔」だ。
筆頭株主は、株式の約11%を持つトヨタ。だが、曙はいわゆるトヨタ系ではない。その背景には、同社独特の業界内での立ち位置がある。
創業は1929年。トヨタや日産自動車、ホンダといった、日本を代表する自動車メーカーの多くはまだ存在していなかった。輸入車がほとんどだった当時、交換部品の需要が高まると考えた創業者が、ブレーキの部品をつくり始めたのが原点だ。
(リンク先に続きあり)
突然の金融支援要請 世界の「アケボノ」に何が起きた?
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友田雄大
2019年3月25日6時30分
経済インサイド
「主力のブレーキパッドは、世界の自動車の5台に1台で採用されています」。その統合報告書には誇らしげな言葉が記されている。独立系自動車部品メーカーの雄「曙ブレーキ工業」(本社・埼玉県羽生市)。「akebono(アケボノ)」のブレーキ部品は自動車レースの最高峰・F1や内外の有名メーカーにも採用される。そんな世界的な名門企業が資金難に陥ったことが1月、突然明らかになった。背景には、自動車業界の厳しい競争と、一寸先は闇ともいえる経営の「落とし穴」があった。
「曙ブレーキが事業再生ADRを申請」。そんなニュースが流れたのは1月30日。「ADR」は裁判外紛争解決の手続きのことで、それを活用して取引銀行に元本返済の一時猶予を求めるという。有利子負債は1千億円超にのぼる。年間売上高が2600億円超で、世界中の自動車メーカーを顧客に抱える大企業がなぜ、と業界に衝撃が広がった。
自動車部品業界の「理想型」
曙の社長を務めるのは信元久隆氏(69)。1990年に父から経営を引き継いでから約30年にわたりトップの座にある。日本自動車部品工業会会長や、トヨタ自動車の取引先部品メーカーでつくる「協豊会」会長も務めた自動車部品業界の「顔」だ。
筆頭株主は、株式の約11%を持つトヨタ。だが、曙はいわゆるトヨタ系ではない。その背景には、同社独特の業界内での立ち位置がある。
創業は1929年。トヨタや日産自動車、ホンダといった、日本を代表する自動車メーカーの多くはまだ存在していなかった。輸入車がほとんどだった当時、交換部品の需要が高まると考えた創業者が、ブレーキの部品をつくり始めたのが原点だ。
(リンク先に続きあり)