西日本の降雪、観測史上最少 今冬は平年の1割 日本酒や野菜にも影響
3/16(土) 17:33配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190316-00000030-mai-soci
西日本はこの冬、日本海側を中心に雪がぐっと減った。2月までの3カ月間、西日本全域の降雪量は平年に比べて約1割にとどまり、気象庁が統計を取り始めた1961年以来、最少を記録した。スキー場は例年より早い営業終了を迫られたほか、農業にも暖冬の影響は広がり、関係者は悲鳴を上げている。
「この業界に20年以上携わるが、ここまで雪が降らないのは初めて」。島根県浜田市のアサヒテングストンスノーパークを運営する木村宏一社長(58)はため息をついた。
シーズンを通じて雪不足に悩まされ、2月21日に予定より約3週間早く営業を打ち切った。期間中に記録した最高の積雪量は、昨季の3分の1の約50センチ。2万人を見込んだ来場客も7000人を割り込んだ。木村社長は「今季から料金を一部値下げしたが、客が少なすぎて効果の検証もできない」とうつむく。
石川県七尾市の七尾コロサスキー場は、一般営業を一日もできないまま2月下旬にゲレンデを閉じた。箱館山スキー場(滋賀県高島市)も雪が足りず、今月中旬に一時休業を余儀なくされた。
広島県庄原市の道の駅「たかの」では、地元産の野菜や日本酒を1年を通じて保存する「雪室」の雪が足りない事態に。2階建ての雪室(高さ約10メートル)には約600トンの雪が必要で、今年は車で片道30分の山間地まで出向いて雪をかき集めた。それでも雪の量は例年の3割程度しかなく、担当者は「来年まで維持できなければ、雪室ブランドとして売り出す商品に影響が出てしまう」と頭を抱える。
暖冬は野菜の生産農家も苦しめている。鍋物などの需要が伸びず、出荷価格が落ち込んでいるためだ。岡山県瀬戸内市では、ブランドキャベツ「牛窓甘藍(うしまどかんらん)」の出荷が最盛期を迎えるが、出荷額は1箱(11キロ)800円。採算ラインの1000円を切り、例年のほぼ半値になっている。
キャベツ農家の太田修さん(62)は「広島に出荷するが、暖冬の影響からかお好み焼きの消費も少ない。今年はもうけがない」と嘆く。【竹内之浩、石川将来、石川勝己】
3/16(土) 17:33配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190316-00000030-mai-soci
西日本はこの冬、日本海側を中心に雪がぐっと減った。2月までの3カ月間、西日本全域の降雪量は平年に比べて約1割にとどまり、気象庁が統計を取り始めた1961年以来、最少を記録した。スキー場は例年より早い営業終了を迫られたほか、農業にも暖冬の影響は広がり、関係者は悲鳴を上げている。
「この業界に20年以上携わるが、ここまで雪が降らないのは初めて」。島根県浜田市のアサヒテングストンスノーパークを運営する木村宏一社長(58)はため息をついた。
シーズンを通じて雪不足に悩まされ、2月21日に予定より約3週間早く営業を打ち切った。期間中に記録した最高の積雪量は、昨季の3分の1の約50センチ。2万人を見込んだ来場客も7000人を割り込んだ。木村社長は「今季から料金を一部値下げしたが、客が少なすぎて効果の検証もできない」とうつむく。
石川県七尾市の七尾コロサスキー場は、一般営業を一日もできないまま2月下旬にゲレンデを閉じた。箱館山スキー場(滋賀県高島市)も雪が足りず、今月中旬に一時休業を余儀なくされた。
広島県庄原市の道の駅「たかの」では、地元産の野菜や日本酒を1年を通じて保存する「雪室」の雪が足りない事態に。2階建ての雪室(高さ約10メートル)には約600トンの雪が必要で、今年は車で片道30分の山間地まで出向いて雪をかき集めた。それでも雪の量は例年の3割程度しかなく、担当者は「来年まで維持できなければ、雪室ブランドとして売り出す商品に影響が出てしまう」と頭を抱える。
暖冬は野菜の生産農家も苦しめている。鍋物などの需要が伸びず、出荷価格が落ち込んでいるためだ。岡山県瀬戸内市では、ブランドキャベツ「牛窓甘藍(うしまどかんらん)」の出荷が最盛期を迎えるが、出荷額は1箱(11キロ)800円。採算ラインの1000円を切り、例年のほぼ半値になっている。
キャベツ農家の太田修さん(62)は「広島に出荷するが、暖冬の影響からかお好み焼きの消費も少ない。今年はもうけがない」と嘆く。【竹内之浩、石川将来、石川勝己】