文部科学省の調査で、2018年は小・中学校での米飯給食の実施回数が全国平均で週3・5回に増えたことが分かった。回数の増加は、14年に3・4回となって以来4年ぶり。関係者は「13年の和食の世界の無形文化遺産登録などをきっかけに、和食文化の見直しが教育現場でも広まっている」とみる。学校給食での米消費拡大の取り組みが着実に進んでいる。
米飯給食の回数は06年の週2・9回から上昇傾向。文科省は1985年から週3回の米飯給食の実施を目標に掲げており、07年に達成。その後も週3回未満の学校は週3回へ、週3回以上は週4回などとするよう促してきた。農水省は米飯給食の拡大に向け、政府備蓄米を無償で交付するなど後押し。JAも、地産地消による米飯給食に協力してきた。その結果、週3回の達成からほぼ10年で3・5回まで上がった。
18年の調査は、米飯やパンなどの主食とおかず、牛乳がそろう完全給食を行う2万9553校から回答を得た。米飯給食の週3〜5回の実施校は全体の97%を占めた。具体的には、週3回が最多の1万1644校、次いで4回が7895校、3・5回が5535校、4・5回が2006校、5回が1618校。3回未満は855校あった。
日本料理の料理人らでつくる和食給食応援団の西居豊事務局長は、米飯給食の回数が増えたことを「大きな前進」と評価。背景に、20年の東京五輪があるとみる。五輪では日本の食文化の発信が掲げられている。第3次食育推進基本計画で、食文化の継承が重点課題の一つとされたことも追い風となった。西居事務局長「和食は品目をバランス良く取れて、健康に良い。朝食や夕食でパンやパスタを食べる子どもは多く、せめて学校給食では週4・5回は米飯で行うべきだ」と強調する。
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