
加茂宮ノ前遺跡で出土した、朱が塗られた耳飾り3点=18日午後、徳島県阿南市

■石臼など300点出土
徳島県阿南市加茂町の加茂宮ノ前遺跡で、縄文時代後期(約4000〜3000年前)の集落跡が見つかり、県埋蔵文化財センターが18日発表した。赤色の顔料「水銀朱(すいぎんしゅ)」をつくるための石杵(きね)や石臼が大量に出土し、顔料の一大産地だった可能性があるという。
元々、弥生時代中期から鎌倉時代にかけての遺構が知られていたが、今回の調査では、縄文後期の竪穴住居跡と、石を円形状に並べた祭りや儀式用とみられる遺構16基が見つかった。さらに、水銀朱の製造に使われた石杵と石臼300点以上が、近くで採れる原料の辰砂(しんしゃ)原石や、水銀朱が施された耳飾り、土器など700点以上とともに出土した。
同センターによると、生産用の石臼などは三重県の遺跡で約30点が出土した例があるが、今回は「国内最多の出土量」としている。また、この時代の住居跡と祭り用の遺構が一体となって見つかるのは西日本では珍しいという。
元奈良県立橿原考古学研究所付属博物館長で、天理参考館の松田真一・特別顧問は「西日本における縄文時代の集落構造がわかる可能性がある重要な発見。水銀朱は、他地域との交易に使っていたのではないか」と指摘している。
徳島新聞 2019/2/19
https://www.topics.or.jp/articles/-/164269
読売新聞 2019年2月18日
https://www.yomiuri.co.jp/culture/20190218-OYT1T50266/
【動画】阿南市の加茂宮ノ前遺跡で縄文時代後期の集落発見
【動画】縄文時代の“水銀朱”大量に出土
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tokushima/20190218/movie/8020004070_20190218202045.html