JIJI.COM 2019年01月15日19時36分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019011501146&g=soc
宝島社が発行した書籍で名誉を毀損(きそん)されたとして、福島県大熊町の双葉病院を運営する医療法人博文会が、
同社と執筆者に1100万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が15日、東京地裁であり、鎌野真敬裁判長は同社側に220万円の賠償を命じた。
原告側は謝罪広告の掲載も求めたが、認めなかった。
判決によると、問題となったのは宝島社が2012年10月に発行した、ノンフィクション作家の織田淳太郎氏が執筆した「なぜ日本は、精神科病院の数が世界一なのか」。
書籍では「F病院」と記載されたが、鎌野裁判長は、原発事故による緊急避難時に、
患者や併設施設の入所者ら約50人が搬送途中などに死亡したことで全国に名前が知れ渡ったとの記述で、双葉病院を指すと容易に理解できると指摘。
「病床の多くが『入院加療の必要のない』長期入院者によって埋められていた」などの記載について、
「病院経営に直接関わる事項について、十分な調査をすることなく具体的に記述したもの」と判断した。