探査機はやぶさ2、小惑星に来月着地 立ちはだかる岩石に挑む
探査機「はやぶさ2」が来月、小惑星「リュウグウ」への着地に挑戦する。
地表の物質を採取して地球に持ち帰るためだが、想像以上に多くの岩石が
立ちはだかり、確実に着地できる見通しは得られていない。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)のチームは危険と隣り合わせの苦戦を
強いられそうだ。
はやぶさ2は、物質を採取する長さ約1メートルの円筒形の装置が
底部から延びている。この先端を地表に一瞬、着地させて砂を採取する
段取りだ。しかし周囲に高さ60センチを超える岩があると、
機体が接触して損傷する恐れがある。
このため安全に降りるには、大きな岩が少ない平地を探す必要がある。
だがリュウグウはどこも岩だらけで、場所選びは難航。
JAXAは当初予定していた昨年10月の着地を延期し、
撮影した地表画像の影の長さなどから、地形を詳しく調べた。
その結果、赤道付近に2カ所の候補地が見つかった。ただ、いずれも
ごく狭い場所で、半径は約6メートルと約3メートルしかない。
はやぶさ2の着地点は目標の場所から約15メートルの誤差が生じる恐れがあり、
現時点で安全に着地できる保証はない。
だが、ほかに候補地は見当たらないため、来月18日から24日までの
間に、2カ所のどちらかに着地することを決めた。能力以上のピンポイントでの
着地を狙うことになるが、JAXAの久保田孝教授は「これまでの運用実績を
もとにチャレンジする。慎重かつ大胆にやりたい」と意気込む。
はやぶさ2がリュウグウに到着したのは昨年6月。着地に適した
広い砂地があると予想していただけに、無数の岩石に覆われた姿は
衝撃だった。責任者の津田雄一プロジェクトマネージャは
「神様はそんなに優しくない」と漏らした。
チームは着地に備えて、さまざまなシミュレーションを繰り返してきた。
着地点の誤差は、機体の設計通りの50メートルで問題ないと踏んでいたが、
この精度では全く歯が立たない。
このため昨年秋まで実施した降下訓練で着地の誤差を約3分の1に減らし、
着地する際の目印を地表に投下。本番でこの目印を頼りにすれば、
精度は現状よりもさらに高まるとみて望みをつないでいる。
2つの候補地は、半径が6メートルの場所は比較的広いが目印から遠く、
3メートルの場所は非常に狭いが目印に近いため着地の精度を高めやすい
利点があり、一長一短だ。2カ所は近くにあり、どちらに着地するか
来月上旬に結論を出す。
初代はやぶさは世界で初めて小惑星の物質を採取し、平成22年に
地球に帰還した。ただ、不具合で計画通りに着地することはできず、
ごく微量しか採取できなかった。雪辱を期して臨む後継機で、
失敗するわけにはいかない。
チームの吉川真(まこと)准教授は「着地にかなりリスクがあるのは
否定できないが、ぜひとも成功させなければ」と気を引き締めている。
産経新聞(1/13(日) 19:43配信 )
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190113-00000538-san-sctch
探査機「はやぶさ2」が来月、小惑星「リュウグウ」への着地に挑戦する。
地表の物質を採取して地球に持ち帰るためだが、想像以上に多くの岩石が
立ちはだかり、確実に着地できる見通しは得られていない。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)のチームは危険と隣り合わせの苦戦を
強いられそうだ。
はやぶさ2は、物質を採取する長さ約1メートルの円筒形の装置が
底部から延びている。この先端を地表に一瞬、着地させて砂を採取する
段取りだ。しかし周囲に高さ60センチを超える岩があると、
機体が接触して損傷する恐れがある。
このため安全に降りるには、大きな岩が少ない平地を探す必要がある。
だがリュウグウはどこも岩だらけで、場所選びは難航。
JAXAは当初予定していた昨年10月の着地を延期し、
撮影した地表画像の影の長さなどから、地形を詳しく調べた。
その結果、赤道付近に2カ所の候補地が見つかった。ただ、いずれも
ごく狭い場所で、半径は約6メートルと約3メートルしかない。
はやぶさ2の着地点は目標の場所から約15メートルの誤差が生じる恐れがあり、
現時点で安全に着地できる保証はない。
だが、ほかに候補地は見当たらないため、来月18日から24日までの
間に、2カ所のどちらかに着地することを決めた。能力以上のピンポイントでの
着地を狙うことになるが、JAXAの久保田孝教授は「これまでの運用実績を
もとにチャレンジする。慎重かつ大胆にやりたい」と意気込む。
はやぶさ2がリュウグウに到着したのは昨年6月。着地に適した
広い砂地があると予想していただけに、無数の岩石に覆われた姿は
衝撃だった。責任者の津田雄一プロジェクトマネージャは
「神様はそんなに優しくない」と漏らした。
チームは着地に備えて、さまざまなシミュレーションを繰り返してきた。
着地点の誤差は、機体の設計通りの50メートルで問題ないと踏んでいたが、
この精度では全く歯が立たない。
このため昨年秋まで実施した降下訓練で着地の誤差を約3分の1に減らし、
着地する際の目印を地表に投下。本番でこの目印を頼りにすれば、
精度は現状よりもさらに高まるとみて望みをつないでいる。
2つの候補地は、半径が6メートルの場所は比較的広いが目印から遠く、
3メートルの場所は非常に狭いが目印に近いため着地の精度を高めやすい
利点があり、一長一短だ。2カ所は近くにあり、どちらに着地するか
来月上旬に結論を出す。
初代はやぶさは世界で初めて小惑星の物質を採取し、平成22年に
地球に帰還した。ただ、不具合で計画通りに着地することはできず、
ごく微量しか採取できなかった。雪辱を期して臨む後継機で、
失敗するわけにはいかない。
チームの吉川真(まこと)准教授は「着地にかなりリスクがあるのは
否定できないが、ぜひとも成功させなければ」と気を引き締めている。
産経新聞(1/13(日) 19:43配信 )
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190113-00000538-san-sctch