アメリカと中国の貿易摩擦で世界経済の先行きに不安が広がる中、ロス商務長官は貿易問題をめぐる両国の次官級の協議について中国の輸入拡大では合意に至る可能性が高いものの、知的財産権の侵害など構造的な改革が必要な問題では解決はかなり難しいという認識を示しました。
先月の米中首脳会談でアメリカ側は、中国からの輸入品の関税を引き上げる制裁措置を3月1日まで猶予したうえで知的財産権の侵害などで改善策を示すよう中国に求めていて、その最初の協議として7日から2日間の日程で次官級の協議が北京で開かれています。
これについてロス商務長官は7日、CNBCテレビのインタビューで「お互いに受け入れが可能な妥当な合意が得られる可能性は高い。それは大豆の購入など当面の貿易の問題だ」と述べ、貿易赤字の削減に向けた中国の輸入拡大については合意できるという考えを示しました。
しかしロス長官は、中国による知的財産権の侵害など構造的な改革が必要な問題では解決はかなり難しいとして厳しい認識を示しました。
トランプ政権は3月1日までの期限に合意できなければ関税を引き上げる制裁措置の発動も辞さない構えで、世界経済の先行きに不安が広がる中、協議の行方が注目されます。
2019年1月8日 9時41分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190108/k10011770601000.html