シンガポール当局はマレーシアの政府系投資会社1マレーシア・デベロップメント(1MDB)絡みの資金の流れに関する刑事捜査をゴールドマン・サックス・グループなどに拡大している。事情に詳しい関係者が明らかにした。
機密情報であることを理由に匿名を条件に語った関係者によると、シンガポールの警察は少なくとも2017年遅くからゴールドマンと1MDBの関係を調べているが、最近までゴールドマンのシンガポール部門は捜査の焦点ではなかった。
ゴールドマンが1MDB向けに扱った3つの起債案件での手数料約6億ドル(約670億円)の一部がシンガポールの子会社に渡ったかどうかを当局が突き止めようとしていると関係者は語った。
1MDBを巡ってはマレーシア当局がゴールドマンに対し訴追手続きを取ったばかり。米司法省とシンガポールは緊密に連携していると関係者は話した。米司法当局は1MDBに絡みゴールドマンの元バンカー2人を起訴したほか、ゴールドマンに対する捜査も続けている。
ゴールドマンは「この問題を調べている全ての当局と引き続き協力する」と広報のエドワード・ネイラー氏は述べた。シンガポール当局にコメントを求めたが、今のところ返答はない。米国で捜査を担当しているニューヨーク・ブルックリンのリチャード・ドノヒュー検事正のスポークスマン、ジョン・マーズリ氏はコメントを控えた。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-12-21/PK2O1R6KLVR401?srnd=cojp-v2