「乗客に特別な夜を楽しんでもらおうと、船長の粋なはからいだったようです」とは、にっぽん丸を運航する商船三井客船(東京)の担当者。
“その日”はクリスマスの季節に合わせたディナーやコンサートなどを楽しめる、神戸港発着の1泊2日のツアー「サンタクルーズ神戸」の航行中。船長の巧みなかじ取りで進むと、客室のモニターに映る航跡が海上にハートを描いた、というわけだ。
実は「船舶自動識別装置」(AIS)を搭載した船の航跡は、インターネットサイト「マリントラフィック」で誰でも見ることができる。にっぽん丸が描いたハートは、閲覧者の目に止まり、Twitterなどで「ロマンチックな演出」などと話題に。
ただ、同社によると、海上や気象条件のほかに、時間的に余裕のあること、周囲の船の航行に影響がないことなど条件が重ならないとできないという。これまでどれほどの頻度でしていたのかも「分からない」と担当者。「こうしたことをしていたのも話題になって初めて知ったほどです」。
ちなみに、今年のサンタクルーズ神戸は12月21日に出航の予定。今年もハートを描くのかは分からないが、わずかに残室があるという。
航跡

神戸港に入港したにっぽん丸(2017年12月)

神戸新聞NEXT 2018/11/27 21:30
https://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/201811/0011857099.shtml