展示場の整備は、既存施設の老朽化対策や幅広い展示ニーズに応える狙いがある。8日の懇談会では有識者らが「金城ふ頭で整備すれば、新たな用地の買収や用途変更が必要ないため最も合理的だ」と指摘。奥野信宏座長は懇談会終了後、記者団に「金城ふ頭での整備が合理的というのが一致した意見だ」と述べた。
そのうえで具体的な整備計画については「リニア中央新幹線が開業する27年をめどに8万平方メートル規模の展示場が完成するのが望ましい」とした。
ポートメッセなごやは3つの展示館で構成され、展示面積は延べ約3万4千平方メートル。中国やドイツなどには10万平方メートルを超える展示場が多くあるのに比べ、手狭さが指摘されていた。
展示会の需要は着実に高まっている。名古屋市によると、17年に全国で開かれた展示会は745件と、5年前に比べ22%増えた。展示場は年間利用率が70%程度で「フル稼働」とされる。ポートメッセなごやでは第2、第3展示館で上限に達しつつある。
懇談会では展示面積を増やすために平屋構造の第2、第3展示館を2階建てなどにするべきだとの意見が出た。
第1展示館について市は22年10月をめどに、金城ふ頭駅近くに移転・拡張したうえで、新たな展示場を構える方針だ。総事業費は340億円超。現在の第1展示館の跡地は、隣接するテーマパーク「レゴランド・ジャパン」が借り受ける。
懇談会の意見を受け、河村たかし市長は8日、記者団に「(新しい展示場は)早くつくらないといけない。金城ふ頭で進めることで指示したい」と述べた。金城ふ頭以外を候補地とする自身の構想は当面見送る考えも示した。
ただ、検討が長引く間に愛知県が中部国際空港島(愛知県常滑市)に展示面積約6万平方メートルの国際展示場を整備する方針を発表。19年秋に開業する見通しで、市の展示場と競合する可能性がある。
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