![【研究】PM2.5予測精度向上 ひまわり8号活用 九大など成功 気象庁は来年度からこの技術を導入予定 YouTube動画>1本 ->画像>9枚](https://www.nishinippon.co.jp/uploads/attachment/image/329996/8e6848e81e_m.jpg)
従来の方法(左)とひまわり8号のデータを組み込んだ方法(中)による24時間後の飛来予測データ。実際の観測データ(右)と比較すると、ひまわり8号の方法の方が29%精度が高かった
九州大応用力学研究所の弓本桂也准教授(大気環境科学)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)、気象庁気象研究所は31日、高精度の観測が可能になった気象衛星「ひまわり8号」のデータを使い、黄砂や微小粒子状物質「PM2.5」の飛来予測の精度を向上させることに成功したと発表した。気象庁は来年度から、この技術を導入して黄砂予測を改良する方針。
弓本准教授によると、従来の黄砂やPM2.5の飛来予測は、過去の発生状況や排ガス量などの統計データと、風向きなどの気象条件からシミュレーションしていた。このため「当たり外れも大きかった」(弓本准教授)という。
今回開発した手法は、これまでの予測にひまわり8号のデータを組み合わせることで、実際の飛来状況を反映したリアルタイムな予測ができるようになった。2016年5月にシベリアで発生した大規模森林火災のケースで検証したところ、従来の方法と新たな方法による24時間後の予測と実際の観測結果を比較すると、精度は29%改善されたという。
弓本准教授は「より正確な予測を基に洗濯物を干したり外出したりする判断ができるようになる。日々の生活に良い影響を与えることができるのではないか」と話した。
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