2018年9月30日 11時15分
プレジデントオンライン
■スナックやつまみなどの「ついで買い」も期待できる
コンビニ店頭の専用サーバで提供する生ビールの販売が注目されている。「NewDays」などを展開するJR東日本リテールネットは2015年から順調に売り上げを伸ばし、18年も一部店舗で3月から10月頃までの期間限定で実施中だ。
17年より、コンビニ業界は、12年2月期から着実に拡大してきたシェアが、高止まりしはじめている。働く女性や高齢者に向けた品揃えの強化に加えて、直近では店頭での「カウンターコーヒー」の展開など、新たな需要創造がシェア拡大を牽引してきたと考えると、生ビールはコーヒーに次ぐ起爆剤になりうる商材。スナックやつまみなどの「ついで買い」も期待できる。
対ドラッグストアを考えても、販売免許が必要な酒類は都市部を中心に差別化商材になる。ドラッグストアは、医薬品の粗利が高いため、飲料や日用品の低価格販売ができるのが強みだ。同じ飲料商品が、コンビニでは120円台近くする一方で、ドラッグストアでは80円台で販売されることもある。そのため、長い目で見ると、ドラッグストアの出店拡大はコンビニにとって大きな脅威。現在、コンビニがチキンなどカウンター周りでのファスト・フードに力を入れているのも、業態の差別化を意識した取り組みとも考えられる。
懸念は、消費者の反応だ。価格や販売方法がコーヒーと似ているが、生ビールが決定的に違うのは社会的影響力の大きさだ。仮に酒気帯び運転や事故、未成年の飲酒が起きた場合、販売者の責任が問われる可能性がある。そもそもすでにコンビニで酒類が販売されているとはいえ、新たな販路を拡大していく際には、こうした社会的リスクと消費者の反応への自覚が必要だ。準備を万全に整えることを前提に、コンビニは生ビール販売に踏み出していくといいだろう。
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