https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180926-00358768-agara-l30
スギ・ヒノキの苗木を守る森林防護柵を設置した場合、イノシシが最初に破壊・侵入し、シカはそこを利用して侵入している事例があることが、
和歌山県林業試験場(上富田町)の調査で分かった。
試験場は「破壊されるのは地上高60センチ以下。今後対策について研究していく」と話している。
今回、田辺市内のスギ・ヒノキ人工林で、標準柵(10センチ角メッシュネット)と強化柵(5センチ角メッシュネット)、
金網柵(10センチ角2ミリ鋼線)を縦4メートル、幅8メートルの長方形にそれぞれ設置。
その内外に米ぬかと古米を1週間に1度給餌し、自動撮影カメラで撮影した。試験期間は2017年5月26日から189日間。
この結果、シカは調査開始から3日後、イノシシは21日後に現れ、シカは延べ156日、イノシシは延べ89日確認された。
標準柵は開始から30日後にイノシシが接地部分を破壊して侵入、その2週間後に側面の破損部分からシカが侵入した。
一方、強化柵と金網柵は59日後にイノシシが接地部を破壊して侵入したが、シカは調査期間内に侵入しなかった。
しかし、イノシシは継続して破壊を行っており、最終的には広がった破壊部分からシカが侵入すると推測している。
シカによる防護柵の破壊行為は確認されなかった。
イノシシの知能はサルに匹敵するといわれ、破壊行為はネットを固定するアンカー杭の引き抜きや破壊に始まり、
金網の切断、ネットの折り返し部分のめくり上げなどが見られた。
このほか、内側から別の箇所を攻撃したり、2匹が同時に引いたり押したりする姿が映っていた。