大阪府岬町の「みさき公園」で7月中旬に獣舎から脱走した人気者のミーアキャット「シオン」(雌、1歳)。3週間後に発見され、無事に一件落着したようにみられていたが、別の家庭内の問題が発生している。感動の再会を果たしたものの、母親の「リョウコ」から威嚇されてしまったのだ。飼育員らは以前のように家族で仲良く暮らしてほしいと願うが、5回にわたって行われた対面はいずれも失敗。今もシオンはただ一匹で、ケージの中で暮らしている。(嶋田知加子)
■娘と母、謎のバトル
ミーアキャットは昆虫や鳥などを食べるマングース科の肉食性動物。後ろの2本足と尾で立つ姿は愛らしくてユーモラスで同園でも人気者だ。臆病ながら好奇心旺盛で、獣舎前で見ている人間に興味深そうに近寄ってきたり、おなかをみせて座っている様子に、とりこになる人も多い。
ミーアキャットは家族中心に群れで生活する習性を持つ。脱走当時は生後11カ月だったシオンも、父のポルコ(6歳)、母のリョウコ(9歳)、兄のチヨコ(3歳)と、5月に生まれた4匹の弟妹の計8匹の一家で暮らしていたが、7月17日に脱走。8月7日に無事、保護することができた。
8月16日にシオンを入れたケージを獣舎の中に置き、脱走後に初めて一家と対面させてみた。最初は互いに警戒していたが、そのうち弟妹やポルコがシオンのそばに興味しんしんで近寄ってきた。どうやらじゃれ合いたい様子だ。シオンも寄り添いたいそぶりを見せた。ところが、母親だけが威嚇するような様子を見せたんです」。
その後も何度か再会させ、5回目はシオンのいるケージの中へ、家族を入れてみたという。まずは年下の弟妹から1匹を入れ、問題がないことを確認。次にチヨコと交代。こちらも危険な様子はなく問題はなかった。
そして、リョウコ。
「かなり攻撃的で威嚇する様子を見せ、最後には歯をむき出しにして噛もうとした。すると、シオンも初めて、牙をむいて警戒したのです」と広報担当者。これを最後に、家族の対面をいったん中止した。
シオンの様子に、堀内さんはこうも話した。
「あくまで想像の域を超えませんが、もしかすると、シオンが脱走したときも、すでにリョウコはこんな様子を見せていたのかもしれない。だからシオンも少しパニックになっていた。獣舎は決して大きくない。きょうだいが増えたことで、もしかすると、手狭になった獣舎から追い出そうとしていたのか…」
これも教育、しつけの一環なのか。「そういえば聞こえはいいですが、どうでしょうか。この子たちと会話できればと、何度も思う」と堀内さんは苦しい胸の内を明かす。
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https://www.sankei.com/west/news/180830/wst1808300005-n1.html