![【岐阜】ひと狩りいこうぜ!集え全国のハンター 「クラウドハンター」本格稼働、郡上の団体が開設 高齢化で人手不足、悩む農村と仲介 ->画像>3枚](https://cdn.mainichi.jp/vol1/2018/08/27/20180827k0000e010203000p/9.jpg)
赤外線カメラに動物が写り、参加者のスマートフォンに送られる画像=猪鹿庁提供
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獣害に悩む農村と、狩猟に興味を持つ都市住民とを仲介し、協力して駆除を進めるためのサイト「クラウドハンター」が9月、本格稼働する。開設するのは岐阜県郡上市で里山保全事業に取り組む団体「猪鹿庁(いのしかちょう)」。今年5月の試行で手応えを得ており、全国展開を目指す。【沼田亮】
サイトの名は「インターネット上の猟師」という意の造語。農村は高齢化し、イノシシや鹿などを駆除する人手が足りない。そこで、狩猟に関心のある人を募る。
応募者は週末の2日間、獣害に悩む農村に滞在。獣道や餌場などを探し、地元の有資格者に伝えてワナを設置してもらう。近くを通る動物を撮る赤外線カメラも1台置き、参加者は帰宅後、スマートフォンに送られる画像で現場を監視できる。ワナにかかれば、駆除する資格を持つ地元住民らが捕獲し、精肉に処理をする。滞在から2週間後に集まり、全員でジビエ料理を楽しむ。
参加者は狩猟の免許不要で経験不問。関心を高めて将来、免許取得の「戦力」に育つことや、都市住民の参加で農村が活性化し、害獣を駆除する意欲が高まることも狙いだ。
試験的なワークショップを5月下旬、郡上市大和町にある人口約100人の母袋(もたい)集落で開いた。岐阜、愛知、京都などから男性7人が参加し、鹿2頭を捕った。
名古屋市中川区の精神保健福祉士、松久竜さん(43)はジビエ料理に興味があり、昨年11月に狩猟免許を取得したが、狩猟の機会はなく、応募した。ワナにかからなかったが、カメラに映ったイノシシに「本当にいるんだ」と驚き、「母袋集落に貢献したい」との思いが湧いたという。その後も母袋を訪れて地元の有資格者とワナを仕掛けるように。「仕事をしつつ趣味の狩猟ができ、生活が充実している」と話す。7月には、ワナの餌を1人で補充することができる資格を得る講習も受けた。
今回は、母袋で活動する約20人を新たに募る。9月22、23両日にワナを設け、10月6日に獲物を食べる。参加費1万9800円。
「猪鹿庁長官」の興膳(こうぜん)健太さん(35)は「気軽に狩猟を体験でき、地域貢献にもなる。全国に広めたい」と意気込む。千葉県の集落からも引き合いがあるという。問い合わせは猪鹿庁。
毎日新聞 2018年8月27日 14時11分(最終更新 8月27日 14時52分)
https://mainichi.jp/articles/20180827/k00/00e/040/200000c?inb=ra
毎日新聞 2018年8月27日 中部夕刊
https://mainichi.jp/articles/20180827/ddh/041/040/002000c?inb=ra