東京駅で顔を合わせている東海道新幹線と東北新幹線。
しかし線路はつながっておらず、直通運転もできません。ただかつて、直通運転の計画は存在しました。なぜ中止されたのでしょうか。
東京駅に並ぶ新幹線のホーム。在来線のホームを改築する形で順次整備された(2011年2月、草町義和撮影)。
ホームと線路は並んでいるが…
東京駅は日本を代表する鉄道ターミナル。新幹線も乗り入れており、関西方面に延びる東海道新幹線と、北に延びる東北新幹線の線路とホームが並んで設けられています。
東海道新幹線は山陽新幹線と直通運転を行っており、東北新幹線には上越新幹線や北陸新幹線、
山形新幹線、秋田新幹線、北海道新幹線の列車も乗り入れていますから、実質的には8つの新幹線が集結しているといえます。
しかし、東海道新幹線と東北新幹線の線路はつながっていません。隣同士で並んでいるなら線路をつなげて、直通運転してほしいと思っている人もいるかもしれません。
実は、かつては直通運転の計画がありました。
いまから50年以上前の1964(昭和39)年、東京〜新大阪間を結ぶ東海道新幹線が開業しました。
東京駅の東側(八重洲口)には、在来線ホームを改築した東海道新幹線ホーム(16〜19番線)を設置。
開業時は17〜19番線のみ使用し、1967(昭和42)年から16番線の使用も始まりました。
その後、東海道新幹線の成功を機に、全国の主要都市を新幹線で結ぶ「全国新幹線鉄道網」の構想が浮上します。
1971(昭和46)年、東京駅から北へ向かう東北新幹線・東京〜盛岡間と上越新幹線・大宮〜新潟間が着工。
東京駅の東北新幹線ホームも東海道新幹線と同様、在来線ホームを改築して使用することになり、
在来線の12〜13番線と14〜15番線を東北新幹線ホームに転用することになりました。
このときの計画によると、12〜15番線は東北新幹線だけでなく、東海道新幹線の線路にも接続。
東海道新幹線は16番線のみ改造して東北新幹線の線路につなげることになりました。
この計画が実現していれば、新大阪駅から盛岡駅や新潟駅まで直通する列車が運転されていたかもしれません。
本当の目的は「直通運転」ではなかった?
ただ、実際は直通列車を走らせるためというより、別の目的があったといいます。
東北新幹線が着工したころの東京駅の線路配線計画図。
新幹線の線路は8本中5本を直通運転に対応させることになっていた(草町義和作成)。
東京駅に到着した新幹線の上り列車は、折り返して下り列車に変わります。
このとき、運転士が上りの先頭車から下りの先頭車に移動したり、車内の清掃を行ったりしなければならず、
準備に時間を要するため、1本の列車が長い時間、ホームをふさいでしまいます。つまり、たくさんの列車を運転できなくなるのです。
そこで、東海道新幹線の上り列車を東北新幹線の車両基地で折り返すようにすれば、運転士の移動や車内清掃などを車両基地で行うことができ、東京駅での停車時間を短くすることができます。
逆に東北新幹線の上り列車も東海道新幹線の車両基地で折り返せば、東京駅での停車時間を短くできます。
http://news.livedoor.com/article/detail/15155496/
2018年8月14日 6時20分 乗りものニュース
しかし線路はつながっておらず、直通運転もできません。ただかつて、直通運転の計画は存在しました。なぜ中止されたのでしょうか。
東京駅に並ぶ新幹線のホーム。在来線のホームを改築する形で順次整備された(2011年2月、草町義和撮影)。
ホームと線路は並んでいるが…
東京駅は日本を代表する鉄道ターミナル。新幹線も乗り入れており、関西方面に延びる東海道新幹線と、北に延びる東北新幹線の線路とホームが並んで設けられています。
東海道新幹線は山陽新幹線と直通運転を行っており、東北新幹線には上越新幹線や北陸新幹線、
山形新幹線、秋田新幹線、北海道新幹線の列車も乗り入れていますから、実質的には8つの新幹線が集結しているといえます。
しかし、東海道新幹線と東北新幹線の線路はつながっていません。隣同士で並んでいるなら線路をつなげて、直通運転してほしいと思っている人もいるかもしれません。
実は、かつては直通運転の計画がありました。
いまから50年以上前の1964(昭和39)年、東京〜新大阪間を結ぶ東海道新幹線が開業しました。
東京駅の東側(八重洲口)には、在来線ホームを改築した東海道新幹線ホーム(16〜19番線)を設置。
開業時は17〜19番線のみ使用し、1967(昭和42)年から16番線の使用も始まりました。
その後、東海道新幹線の成功を機に、全国の主要都市を新幹線で結ぶ「全国新幹線鉄道網」の構想が浮上します。
1971(昭和46)年、東京駅から北へ向かう東北新幹線・東京〜盛岡間と上越新幹線・大宮〜新潟間が着工。
東京駅の東北新幹線ホームも東海道新幹線と同様、在来線ホームを改築して使用することになり、
在来線の12〜13番線と14〜15番線を東北新幹線ホームに転用することになりました。
このときの計画によると、12〜15番線は東北新幹線だけでなく、東海道新幹線の線路にも接続。
東海道新幹線は16番線のみ改造して東北新幹線の線路につなげることになりました。
この計画が実現していれば、新大阪駅から盛岡駅や新潟駅まで直通する列車が運転されていたかもしれません。
本当の目的は「直通運転」ではなかった?
ただ、実際は直通列車を走らせるためというより、別の目的があったといいます。
東北新幹線が着工したころの東京駅の線路配線計画図。
新幹線の線路は8本中5本を直通運転に対応させることになっていた(草町義和作成)。
東京駅に到着した新幹線の上り列車は、折り返して下り列車に変わります。
このとき、運転士が上りの先頭車から下りの先頭車に移動したり、車内の清掃を行ったりしなければならず、
準備に時間を要するため、1本の列車が長い時間、ホームをふさいでしまいます。つまり、たくさんの列車を運転できなくなるのです。
そこで、東海道新幹線の上り列車を東北新幹線の車両基地で折り返すようにすれば、運転士の移動や車内清掃などを車両基地で行うことができ、東京駅での停車時間を短くすることができます。
逆に東北新幹線の上り列車も東海道新幹線の車両基地で折り返せば、東京駅での停車時間を短くできます。
http://news.livedoor.com/article/detail/15155496/
2018年8月14日 6時20分 乗りものニュース