◆最新!「高校生が志願したい大学」ランキング
大学の受験環境はこの数年で大きな変化が起きている。
大学の入学者について、定員を厳格に守ることが求められているためだ。
超過した場合は補助金がカットされるため、各大学は定員どおりの入学者に収まるよう、合格者数の難しい調整を行っている。
一方、合格者を減らしていることで、都市部の大手大学を中心に軒並み難易度が上がっており、「少子化がさらに進み、受験環境は楽になるのでは」と数年前に言われていた状況とは、真逆になっている。
■関東、東海、関西エリアごとに志望度を調査
そんな中で「高校3年生が志願したいと考える大学」はどこか――。
リクルートマーケティングパートナーズが運営するリクルート進学総研では、毎年この時期に「進学ブランド力調査」を発表している。
関東、東海、関西の学校に通う高校3年生約8500人が、知っている大学や志願したい大学、各大学のイメージなどについて回答し、集計した結果をランキング形式でまとめている。
今回、その中から、「高校生が志願したい大学」ランキングを掲載していきたい。
ランキングは、回答した高校生の通う地域ごとに、関東エリア、東海エリア、関西エリアに分けて算出。
対象大学は、全国立大学と、学生数1000人以上の公立、私立大学、そして調査対象エリア内にある学校となっている。
志願したい大学は、生徒が知っている大学から、4校を選ぶ形になっている。
4校にしているのは「受験する大学は平均でおよそ3校。興味のある4校に入らないと志願の選択肢に入らない」(リクルート進学総研の小林浩所長)ため。
いってみれば、高校3年生が自分の学力や行きたい学部を吟味しながら、本気で受験したい、と思う大学が選ばれているということだ。
それぞれのエリアで、どの大学に対する志願度が高いのか、見ていこう。
関東エリアでは昨年に引き続き早稲田大学が1位になった。志願度は12.0%。
早稲田大学はここ数年、第三志望以降の選択が多くなっているといい、「就職に強いイメージということもあるが、景気が回復したこともあり、記念受験をする層が復活しているのではないか」と小林所長は分析する。
2位は明治大学、3位は青山学院大学と、昨年と同じ順位になっている。
青山学院大学は箱根駅伝の活躍や文系学部の渋谷キャンパスへの集約、2019年のコミュニティ人間科学部新設といった大学改革などが浸透しているもようだ。
■”日大逆張り”の志願者は多い?
4位には最近話題になった日本大学が入っている。
ただ、このランキングの集計期間は、今年の4月6日から5月10日までとなっている。
そのため、5月中旬以降にクローズアップされた、”アメフト部の悪質タックル問題”の影響はほぼ受けていない。
「私見だが、現時点では、志願者数には大きな影響はないのではないか。定員厳格化で難易度が高まっている中、中長期で見て逆に”お買い得”と考える人も出てくる」と小林所長。
ただ「第一志望や付属校から志願する人が減る可能性はある」と指摘する。
小林所長の言葉どおり、定員厳格化による各大学の難易度アップの影響も、ランキングには出ている。
前回より中堅大学のランクアップが顕著にみられ、駒澤大学が昨年の20位から15位に、専修大学が昨年の22位から17位に、芝浦工業大学が昨年の29位から19位にランクを上げた。
志願したい大学は、「入れる大学か」ということも重要なファクターになるため、関東の場合はGMARCHクラスがメインだったが、選択肢が中堅校などほかの大学にも広がっているようだ。
関東エリアのもうひとつの特徴は、上位がほぼ私立大学で占められていること。
トップ10はすべて私立大学が占め、20位までに入った国公立大学は4校と過去最低の数字となっている。
関東は私立大学が多く、国立よりも私立を志向する傾向は、ほかの地域よりも強い。
東洋経済オンライン 2018/07/28 6:00
https://toyokeizai.net/articles/-/231065
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