◆RSウイルス 流行早まる 夏も注意、子どもの感染症
暑い時期は子どもの感染症に注意したい。
従来は秋から冬に流行してきたRSウイルス感染症は、ここ数年流行時期が早まり、夏ごろに始まっていると指摘されている。
また、「夏風邪」として代表的な、咽頭(いんとう)結膜熱(プール熱)、手足口病、ヘルパンギーナは、いずれも子どもが集まる保育所や学校などが感染場所となることが多い。
夏場に気をつけたい感染症の特徴や、日常生活での注意点などをまとめた。
RSウイルス感染症は、乳幼児の代表的な呼吸器疾患で、入院の主な原因となる病気の一つだ。
感染後、鼻水や38〜39度程度の発熱などの症状とともに、気管支炎や肺炎を引き起こすことがある。
1歳までに半分以上、2歳までにほぼ全ての乳幼児が感染するとされる。
多くの場合は数日で症状は治まるが、免疫ができにくいため繰り返しかかる。
特に注意が必要なのは生後6カ月以内の乳児だ。
重症化して、気管がゼーゼーと鳴る「喘鳴(ぜんめい)」や、ぜんそくのような症状も表れ、呼吸困難になることもある。
インフルエンザのようにウイルスの増殖を抑える薬はなく、症状を薬で和らげる。
また、先天性の心臓病や慢性肺疾患、ダウン症、早産児などは重症化のリスクが特に高いため、予防薬(パリビズマブ)の投与が公的医療保険の適用対象となっている。
一方、年長児や大人は感染しても、せきや鼻水程度の軽い風邪の症状で済むことがほとんどだ。
ただ、重症化の恐れのある乳幼児や高齢者に対して感染源となる恐れがある。
感染経路は、せきやくしゃみなどによる飛沫(ひまつ)感染と、接触感染がある。
マスクの着用や小まめな手洗いが有効だ。
■乳幼児は重症化も
5年ほど前までは、RSウイルス感染症は秋から冬にかけて流行していた。
国立感染症研究所(感染研)が毎週まとめている統計データによると、例年9月ごろから患者が増え始め、12月から翌年1月ごろに流行が終息していた。
ところが、徐々に流行時期が早くなり、2017年は7月ごろから患者が増え始めた。
8月から9月にかけて流行のピークを迎え、年末にかけて減っていった。
理由はよく分かっていないが、温度や湿度などの気候が関係しているとの研究報告もある。
新潟大などの研究グループは、感染研の統計データのうち7年分(07〜13年)の都道府県別報告について、気候で全国を11区分して分析した。
すると、九州地方と静岡、高知、沖縄各県は、例年7〜8月に流行のピークが存在し、それ以外の地域よりも流行期が早かった。
一方、北海道と山梨、長野両県を除く地域でも、11年以降は流行が秋の早い時期に前倒しとなる傾向が見られた。
RSウイルス感染症に詳しい群馬パース大学大学院の木村博一教授は「流行のパターンが地域によって異なっており、気候変動に伴う高温化や多湿化が流行に関係している可能性もある」と指摘。
各都道府県などの発表する地域ごとの流行情報が参考になるという。
さらに、「乳幼児は入院も含めて重症化する恐れがある病気なので、2歳くらいまでの子どもがいる人は、夏から冬にかけて呼吸器の症状が出た場合、なるべく早めに小児科を受診してほしい」と注意喚起している。
※記事を一部引用しました。全文はソースでご覧ください。
毎日新聞 2018年7月18日東京朝刊
https://mainichi.jp/articles/20180718/ddm/016/040/003000c
暑い時期は子どもの感染症に注意したい。
従来は秋から冬に流行してきたRSウイルス感染症は、ここ数年流行時期が早まり、夏ごろに始まっていると指摘されている。
また、「夏風邪」として代表的な、咽頭(いんとう)結膜熱(プール熱)、手足口病、ヘルパンギーナは、いずれも子どもが集まる保育所や学校などが感染場所となることが多い。
夏場に気をつけたい感染症の特徴や、日常生活での注意点などをまとめた。
RSウイルス感染症は、乳幼児の代表的な呼吸器疾患で、入院の主な原因となる病気の一つだ。
感染後、鼻水や38〜39度程度の発熱などの症状とともに、気管支炎や肺炎を引き起こすことがある。
1歳までに半分以上、2歳までにほぼ全ての乳幼児が感染するとされる。
多くの場合は数日で症状は治まるが、免疫ができにくいため繰り返しかかる。
特に注意が必要なのは生後6カ月以内の乳児だ。
重症化して、気管がゼーゼーと鳴る「喘鳴(ぜんめい)」や、ぜんそくのような症状も表れ、呼吸困難になることもある。
インフルエンザのようにウイルスの増殖を抑える薬はなく、症状を薬で和らげる。
また、先天性の心臓病や慢性肺疾患、ダウン症、早産児などは重症化のリスクが特に高いため、予防薬(パリビズマブ)の投与が公的医療保険の適用対象となっている。
一方、年長児や大人は感染しても、せきや鼻水程度の軽い風邪の症状で済むことがほとんどだ。
ただ、重症化の恐れのある乳幼児や高齢者に対して感染源となる恐れがある。
感染経路は、せきやくしゃみなどによる飛沫(ひまつ)感染と、接触感染がある。
マスクの着用や小まめな手洗いが有効だ。
■乳幼児は重症化も
5年ほど前までは、RSウイルス感染症は秋から冬にかけて流行していた。
国立感染症研究所(感染研)が毎週まとめている統計データによると、例年9月ごろから患者が増え始め、12月から翌年1月ごろに流行が終息していた。
ところが、徐々に流行時期が早くなり、2017年は7月ごろから患者が増え始めた。
8月から9月にかけて流行のピークを迎え、年末にかけて減っていった。
理由はよく分かっていないが、温度や湿度などの気候が関係しているとの研究報告もある。
新潟大などの研究グループは、感染研の統計データのうち7年分(07〜13年)の都道府県別報告について、気候で全国を11区分して分析した。
すると、九州地方と静岡、高知、沖縄各県は、例年7〜8月に流行のピークが存在し、それ以外の地域よりも流行期が早かった。
一方、北海道と山梨、長野両県を除く地域でも、11年以降は流行が秋の早い時期に前倒しとなる傾向が見られた。
RSウイルス感染症に詳しい群馬パース大学大学院の木村博一教授は「流行のパターンが地域によって異なっており、気候変動に伴う高温化や多湿化が流行に関係している可能性もある」と指摘。
各都道府県などの発表する地域ごとの流行情報が参考になるという。
さらに、「乳幼児は入院も含めて重症化する恐れがある病気なので、2歳くらいまでの子どもがいる人は、夏から冬にかけて呼吸器の症状が出た場合、なるべく早めに小児科を受診してほしい」と注意喚起している。
※記事を一部引用しました。全文はソースでご覧ください。
毎日新聞 2018年7月18日東京朝刊
https://mainichi.jp/articles/20180718/ddm/016/040/003000c