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文科省局長逮捕 東京医大トップが不正に関与か
2018年7月5日 19時26分文科省局長逮捕
文部科学省の前局長が、私立大学の支援事業の選定で東京医科大学に便宜を図る見返りに息子を不正に合格させたとされる事件で、入試の不正には東京医科大学トップの臼井正彦理事長らが関わっていた疑いがあることが関係者への取材でわかりました。東京地検特捜部は教育行政を担う局長と大学トップの癒着の実態解明を進めています。
文部科学省科学技術・学術政策局長だった佐野太容疑者(58)は、去年5月、私立大学の支援事業の選定で東京医科大学に便宜を図る見返りに、この大学を受験した息子を不正に合格させたとして、4日、受託収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。
これまでの調べによりますと、佐野前局長は文部科学省が特色ある研究に対して費用を支援する「私立大学研究ブランディング事業」の対象に東京医科大学が選定されるよう依頼されていたということですが、この依頼をしていたのは、大学トップの臼井正彦理事長だったことが関係者への取材でわかりました。
そして選定に便宜を図ってもらう見返りとして臼井理事長らの裁量で佐野前局長の息子の入試の点数を加算し、合格させていた疑いがあるということです。
臼井理事長は平成20年10月に東京医科大学の学長に就任し、平成25年7月から5年間にわたって理事長を務めています。
特捜部は教育行政を担う局長と大学トップの癒着や支援事業の選定をめぐる詳しい経緯について実態解明を進めています。
臼井理事長とは
東京医科大学のホームページなどによりますと、臼井正彦理事長は昭和35年に東京医科大学に入学したあと、医師免許を取得して平成6年に主任教授になりました。
その後、大学病院の病院長を務めたあと、平成20年に学長に就任し、平成25年からは13代目の理事長として大学の経営に携わっています。
大学のホームページの理事長あいさつのなかで、臼井理事長は「医師国家試験や看護師国家試験の合格率をより向上させ、科研費などの外部資金獲得の強化などを引き続き図っていきます。医学への情熱と忍耐力をもって人類の病に対する治療や健康維持増進に挑戦し続け、進化する医科大学としてまい進してまいります」などと記しています。
事業選定 大学の認知度や価値向上に
今回の事件で佐野局長が選定に便宜を図ったとされる「私立大学研究ブランディング事業」について、私立大学の関係者は「事業に選ばれると大学の研究力が高く評価されたことになり、大学の認知度や価値の向上につながる」と話しています。
愛知県豊明市にある藤田保健衛生大学は、精神神経疾患の治療法などの開発が昨年度、東京医科大学などとともに「私立大学研究ブランディング事業」として採択されました。
5年間に2億円ほどの補助金が配分される予定だということです。この事業について、岩田仲生医学部長は「支援額はそれほど大きくないが、多くの私立大学が研究で特色を出していこうと努力しているなかで、事業に選定されることは大学が高く評価されたことを意味し、大学の認知度や価値も高まる」と話しています。
そのうえで、今回の事件について「医学生に対して誠心誠意、正しいことのために患者さんに尽くす者になりなさいと教育している側が、モラル違反や倫理違反をしていることは想定外で驚いている。仮に局長が便宜を図れば採択される事業であれば、事業の価値そのものに傷がつき大変残念だ」と話しています。
文科省局長逮捕 東京医大トップが不正に関与か
2018年7月5日 19時26分文科省局長逮捕
文部科学省の前局長が、私立大学の支援事業の選定で東京医科大学に便宜を図る見返りに息子を不正に合格させたとされる事件で、入試の不正には東京医科大学トップの臼井正彦理事長らが関わっていた疑いがあることが関係者への取材でわかりました。東京地検特捜部は教育行政を担う局長と大学トップの癒着の実態解明を進めています。
文部科学省科学技術・学術政策局長だった佐野太容疑者(58)は、去年5月、私立大学の支援事業の選定で東京医科大学に便宜を図る見返りに、この大学を受験した息子を不正に合格させたとして、4日、受託収賄の疑いで東京地検特捜部に逮捕されました。
これまでの調べによりますと、佐野前局長は文部科学省が特色ある研究に対して費用を支援する「私立大学研究ブランディング事業」の対象に東京医科大学が選定されるよう依頼されていたということですが、この依頼をしていたのは、大学トップの臼井正彦理事長だったことが関係者への取材でわかりました。
そして選定に便宜を図ってもらう見返りとして臼井理事長らの裁量で佐野前局長の息子の入試の点数を加算し、合格させていた疑いがあるということです。
臼井理事長は平成20年10月に東京医科大学の学長に就任し、平成25年7月から5年間にわたって理事長を務めています。
特捜部は教育行政を担う局長と大学トップの癒着や支援事業の選定をめぐる詳しい経緯について実態解明を進めています。
臼井理事長とは
東京医科大学のホームページなどによりますと、臼井正彦理事長は昭和35年に東京医科大学に入学したあと、医師免許を取得して平成6年に主任教授になりました。
その後、大学病院の病院長を務めたあと、平成20年に学長に就任し、平成25年からは13代目の理事長として大学の経営に携わっています。
大学のホームページの理事長あいさつのなかで、臼井理事長は「医師国家試験や看護師国家試験の合格率をより向上させ、科研費などの外部資金獲得の強化などを引き続き図っていきます。医学への情熱と忍耐力をもって人類の病に対する治療や健康維持増進に挑戦し続け、進化する医科大学としてまい進してまいります」などと記しています。
事業選定 大学の認知度や価値向上に
今回の事件で佐野局長が選定に便宜を図ったとされる「私立大学研究ブランディング事業」について、私立大学の関係者は「事業に選ばれると大学の研究力が高く評価されたことになり、大学の認知度や価値の向上につながる」と話しています。
愛知県豊明市にある藤田保健衛生大学は、精神神経疾患の治療法などの開発が昨年度、東京医科大学などとともに「私立大学研究ブランディング事業」として採択されました。
5年間に2億円ほどの補助金が配分される予定だということです。この事業について、岩田仲生医学部長は「支援額はそれほど大きくないが、多くの私立大学が研究で特色を出していこうと努力しているなかで、事業に選定されることは大学が高く評価されたことを意味し、大学の認知度や価値も高まる」と話しています。
そのうえで、今回の事件について「医学生に対して誠心誠意、正しいことのために患者さんに尽くす者になりなさいと教育している側が、モラル違反や倫理違反をしていることは想定外で驚いている。仮に局長が便宜を図れば採択される事業であれば、事業の価値そのものに傷がつき大変残念だ」と話しています。