山形県南陽市は21日、同市にある白竜湖の水深が最大でも約1メートルしかなく、
何らの対策も講じなければ今世紀中に消滅する可能性があると公表した。
湖周辺の景観は、歌人の斎藤茂吉が歌を詠むなど、古くから愛されてきたものだが、
湖では年々、堆積(たいせき)が進んでいるという。
地元の人々は「貴重な自然環境と風景を保存してほしい」と話している。
白竜湖は赤湯温泉の北東約800メートルに位置し、県天然記念物に指定されている。
2015年に県の登録制度「未来に伝える山形の宝」に選ばれ、
同市は16年4月から地形・地質▽水質▽植物▽魚介類▽歴史・民俗の専門家に依頼して、
学術調査を実施。21日、同市議会6月定例会に調査報告書を提出した。
報告書によると、湖表面積は5万6500平方メートルで以前と大きな変化はなかったが、
最大水深は1996年より35センチ浅くなっていた。
湖は農業用水として用いられており、土砂や泥の流入で年々、浅くなっている。
過去の記録では、64年に水深1・68メートルまで浅くなったため、68年に堆積した土砂を除去。
水深2・78メートルまで回復させたという。
報告書は「白竜湖は今世紀中に消滅する可能性があり、数万年続いた歴史に終止符を打つことになる」との見通しを示した。
同市教委は「調査結果と提言を踏まえ、今後どのような手立てが考えられるか検討したい」と話している。
米沢盆地は約200万年前は全体が湖だったとの説がある。
白竜湖周辺の標高が低く、長い年月を経て現在の湖が残ったとされる。
吾妻連峰を望む田んぼと白竜湖の景観は、多くの県民に愛されてきた。
茂吉は1913年5月、母危篤の知らせを受けて汽車で帰郷した際、鳥上坂から白竜湖を眺めて1首詠んだという。
沼の上にかぎろふ青き光よりわれの愁の来むと云ふかや(歌集「赤光」)
「白竜湖の自然を守る会」会長の平光敏さん(73)=南陽市椚塚=は
「前回調査では湖と共存してきた高山植物の全滅が明らかになった。
貴重な自然環境と風景だ。何とか保存してほしい」と話す。
毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20180622/k00/00e/040/223000c
何らの対策も講じなければ今世紀中に消滅する可能性があると公表した。
湖周辺の景観は、歌人の斎藤茂吉が歌を詠むなど、古くから愛されてきたものだが、
湖では年々、堆積(たいせき)が進んでいるという。
地元の人々は「貴重な自然環境と風景を保存してほしい」と話している。
白竜湖は赤湯温泉の北東約800メートルに位置し、県天然記念物に指定されている。
2015年に県の登録制度「未来に伝える山形の宝」に選ばれ、
同市は16年4月から地形・地質▽水質▽植物▽魚介類▽歴史・民俗の専門家に依頼して、
学術調査を実施。21日、同市議会6月定例会に調査報告書を提出した。
報告書によると、湖表面積は5万6500平方メートルで以前と大きな変化はなかったが、
最大水深は1996年より35センチ浅くなっていた。
湖は農業用水として用いられており、土砂や泥の流入で年々、浅くなっている。
過去の記録では、64年に水深1・68メートルまで浅くなったため、68年に堆積した土砂を除去。
水深2・78メートルまで回復させたという。
報告書は「白竜湖は今世紀中に消滅する可能性があり、数万年続いた歴史に終止符を打つことになる」との見通しを示した。
同市教委は「調査結果と提言を踏まえ、今後どのような手立てが考えられるか検討したい」と話している。
米沢盆地は約200万年前は全体が湖だったとの説がある。
白竜湖周辺の標高が低く、長い年月を経て現在の湖が残ったとされる。
吾妻連峰を望む田んぼと白竜湖の景観は、多くの県民に愛されてきた。
茂吉は1913年5月、母危篤の知らせを受けて汽車で帰郷した際、鳥上坂から白竜湖を眺めて1首詠んだという。
沼の上にかぎろふ青き光よりわれの愁の来むと云ふかや(歌集「赤光」)
「白竜湖の自然を守る会」会長の平光敏さん(73)=南陽市椚塚=は
「前回調査では湖と共存してきた高山植物の全滅が明らかになった。
貴重な自然環境と風景だ。何とか保存してほしい」と話す。
毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20180622/k00/00e/040/223000c