2018年6月22日(金)
http://www.saitama-np.co.jp/news/2018/06/22/09_.html
カードゲーム「大炎笑」を体験する生徒たち=越谷市立平方中学校
ブログやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などネット上で発信した言葉に批判コメントなどが殺到する「炎上」。カードゲームを使って炎上を疑似体験しようというユニークな道徳の授業が越谷市立平方中学校(大西久雄校長、生徒数330人)で行われた。
1〜3年生が、ネット上のモラルや炎上させないための心得などについて学んだ。
授業では「大炎笑(だいえんじょう)」というカードゲームを使用。テーマに沿って自分の意見を紙に書き、炎上させたいと思う他人の意見に、相手をけなすようなコメントを意味するネット用語「クソコメ」のカードを出していく。
カードには「超ムカつく。」や「はぁ?」「うざい。」などといったコメントとともに炎上レベルが記されており、一番数字が多く集まった人が炎上(負け)というルールだ。生徒は4人1組となり、ゲームを体験した。
大炎笑を開発したのは大手広告代理店に勤める滝口勇也さん(39)。雑誌の企画をきっかけに開発に取り組み、商品化を実現した。相手の感情を理解しながら進められるよう、面と向かって行うカードゲーム方式を採用したという。
「炎上は誰にでも起こり得る。でも怖がっているだけではコミュニケーションがとれない。どのように自分の意見を伝えていけばいいのか考えるきっかけになれば」と滝口さん。
大炎笑を体験した生徒たちは、炎上した時の気持ち、炎上させたくなるのはなぜかを考え「炎上させない心得」について話し合った。「コメントに過剰に反応しない」「発信する側は自分のコメントに責任を持つ」「指摘するならやわらかい言葉で」などの意見が各グループから出た。
3年生の渡辺悠人さん(14)は「炎上させる側とさせられる側の気持ちになって考えることができた」、染谷耀生さん(14)は「普段スマートフォンを使っているので、授業で炎上について触れることができてためになった」と話していた。
大西校長は「身近なテーマで盛り上がり、本音で議論ができるような教材を探していた。スマートフォンは正しく使えば便利。授業で話し合ったことから、生徒にネットとの関わり方について考えてもらえれば」と話していた。