2018年6月19日
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180618-OYTET50038/
手術後の高齢者に錯乱などの意識障害(せん妄)が起きるリスクは、握力が弱い人ほど高いとする調査結果を、東京都健康長寿医療センターなどの研究チームがまとめた。
同センターの石崎達郎研究部長は「意識障害を起こした患者が点滴を外したり、ベッドから転落したりする事故を防ぐ上で、握力の強弱が安全管理の目安として役立つ可能性がある」と説明している。
2013〜14年に関西地方の2病院で、麻酔を使う手術を受けた70歳以上の男女約1800人を対象に、意識障害の発生率と握力の強弱を調べた。
意識障害の発生率は、最も握力が強い群(男34キロ・グラム、女20キロ以上)で1・7%だったのに対し、最も弱い群(男23キロ、女12・2キロ未満)で18・7%、測定不能群で23・2%だった。
他のリスク因子の影響を除いて分析すると、握力の弱い人たちのリスクは3〜4倍に上った。