■人工繁殖で2年連続 石川でも3羽
国の特別天然記念物で絶滅危惧種「ニホンライチョウ」の人工繁殖に取り組む富山市ファミリーパーク(同市古沢)は13日、ひな3羽がふ化したと発表した。
いしかわ動物園(石川県)でも同日、同パークから7日に移送された卵3個がかえった。
いずれも人工ふ化で、ひなの誕生は本年度初めて。国の保護増殖事業計画で、同パークは2年連続で繁殖に成功した。
同パークによると、ひなは12日午後6時11分、13日午前0時3分、同7時45分にそれぞれふ化した。
産まれた順に体重14・2グラム、17・0グラム、16・2グラムで、体長は3羽とも約6・5センチ。
最初に産まれた1羽は逆子で、職員がピンセットで殻の穴を広げ、殻の中が乾かないように生理食塩水を吹き掛けながら取り出した。
性別は外部機関が卵の殻から判別する。
いしかわ動物園で13日早朝にふ化した3羽は、体重15・8〜16・9グラムで、体長はいずれも約7・5センチだった。
親鳥は乗鞍岳(長野、岐阜)から採卵して同パークで人工飼育し、初めて繁殖に成功した昨年度と同じペア。
本年度、雌が5月7〜28日に11個産卵し、卵の中でひなの成長が確認できた6個全てがふ化した。
3個を抱卵しており、同事業初の自然ふ化を目指す。順調なら今月19日ごろにふ化する。残り2個は無精卵だった。
昨年度は20個産卵し3羽がふ化したが、うち1羽は間もなく死んだ。同パークによると、ひなはふ化後2週間が特に体調を崩しやすいという。
村井仁志動物課長は「注意深く飼育、観察したい」とした。
事業は本年度、計5施設で人工繁殖に取り組み、13日現在、上野動物園(東京)で6個の産卵が確認されている。
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