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5月15日 18時38分
15日は九州から関東にかけての各地で真夏日となりました。16日も厳しい暑さになると予想されています。まだ体が暑さに慣れていないこの時期に、急に気温が上がると熱中症で搬送されるケースが増え、特に運動会の練習中などの子どもが運ばれるケースが多いということです。子どもは身長が低く、地面からの照り返しの影響を大人より受けやすいことから、熱中症に十分な注意が必要です。
総務省消防庁によりますと、熱中症の症状を訴えて病院に搬送される人は、例年、まだ体が暑さに慣れていない5月ごろから増える傾向にあり、全国の5月1か月間の搬送者数は、去年は3401人、おととしは2788人、3年前の平成27年は2904人で、毎年3000人前後に上っています。
特に気温が急に上がった日などに学校で運動会の練習中に運ばれる児童や生徒が多いということで、去年5月は11日に埼玉県越谷市の小学校のグラウンドで運動会の練習をしていた児童19人が熱中症の症状を訴え、病院に搬送されたほか、22日に石川県七尾市の小学校で同じく運動会の練習をしていた1年生から5年生までの児童合わせて20人が搬送されました。
また、平成27年の5月27日には、栃木県小山市の小学校で10人余りの児童が病院に運ばれました。
これについて、環境省は子どもは体温調節の機能が発達していないことに加え、身長が低く地面からの照り返しの影響を受けやすいため、大人よりも熱中症に十分な注意が必要だとしています。
このため、運動会の練習など屋外で活動する際には、こまめに水分を補給したり日陰で適度な休憩を取ったりするよう呼びかけています。
また、夏に向けて、今後、気温がさらに高くなることから、日頃から適度に外で遊び、体を徐々に暑さに慣れさせることも重要だということです。
福島県内では、今週以降運動会が行われる小学校が多く、県の教育庁では水分補給や活動時間などに配慮するよう呼びかける通知を出しています。
川俣町の川俣小学校では、今月19日に予定される運動会を前に、小学1年生から6年生までの170人余りが強い日ざしの中、校庭で練習を行いました。教員は「きょうは暑いので、体調が悪くなったら周囲の先生に声をかけてください」と呼びかけ、児童たちは直射日光を避けるため、帽子をかぶりながら入場行進や応援合戦の手順を確認していました。
それでも厳しい暑さの中、途中で気持ちが悪くなったり頭痛を訴えたりする子どももいました。学校によりますと、医療機関の受診が必要な状態ではなく回復に向かったということです。
県教育庁は教育現場での熱中症による事故を防ぐため、今月9日付けで公立の小中学校や県立高校などに通知を出しました。その中では、子どもたちの健康状態を十分に観察し、活動場所や時間、服装、水分補給などに配慮するよう呼びかけています。
川俣小学校で体育主任を務める安齋俊彦教諭は「運動会までの間、子どもたちには水筒を持ってきてもらい、練習の前後に水分補給をしてもらっています。当日は、子どもたち用に日よけのテントも設置する予定です」と話していました。