https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180513/k10011436501000.html
5月13日 4時14分
アメリカで長期金利の上昇傾向が続く中、外国為替市場では、新興国の通貨を売って、より高い利回りが見込めるようになったドルを買う動きが強まっています。これに伴って、新興国では通貨が下落してインフレが進むなど景気が冷え込むおそれが出ていて、今後、世界経済の混乱要因とならないか懸念されています。
アメリカでは、景気の拡大に伴って中央銀行による利上げが進むという見方から、長期金利が節目の3%台を超えるなど金利の上昇傾向が続いています。
これを受けて外国為替市場では、比較的リスクが高い新興国の通貨を売って、より高い利回りが見込めるようになったドルを買う動きが強まっていて、ことしに入ってから今月上旬までのドルに対する下落率は、アルゼンチンのペソが18%、トルコのリラが10.4%となっています。また、ブラジルのレアルが6.7%、ロシアのルーブルが6.6%、インドのルピーも5.4%など軒並み下落しています。
このうちアルゼンチンのペソは今月、ドルに対して一時史上最安値をつけ、中央銀行が通貨安に歯止めをかけようと政策金利を40%にまで引き上げました。
新興国からの資金の流出は通貨を一段と下落させ、輸入物価の上昇による悪いインフレが景気を冷え込ませかねないだけに、アメリカ発のマネーの流れの変調が世界経済の混乱要因とならないか懸念されています。