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5月9日 21時25分
ロシアの首都モスクワで、第2次世界大戦で勝利したことを記念する軍事パレードが行われ、ロシア軍が開発を進める最新の無人兵器などが公開されました。
ロシアでは、5月9日は第2次世界大戦の戦勝記念日とされ、各地で軍事パレードが行われます。
このうちモスクワの赤の広場では、プーチン大統領をはじめ1万3000人以上の兵士が参加する大規模な軍事パレードが行われました。
ことしは偵察などの任務に使われるドローンの「コルサール」や攻撃機への転用も可能な無人ヘリコプターなど最新の無人兵器が次々と披露されました。
またマッハ10で飛行する超音速ミサイル「キンジャール」も戦闘機に搭載した状態で公開され、ロシア軍の攻撃力を誇示していました。
一方、プーチン大統領は演説で、「ロシアは、国際社会の安定に向けすべての面で対話の用意がある。互いに尊重し合うことで、安定はより確かなものになる」と述べ、対話を重視する姿勢も示しています。
ロシアは欧米に対する強硬な姿勢とは対照的に、軍事予算は減少傾向にあり、これ以上の関係悪化は避けたい思惑もうかがえます。
択捉島に配備のミサイル初披露
軍事パレードは9日、ロシア各地で行われ、このうちロシア極東のウラジオストクでは、ロシア海軍の太平洋艦隊の軍人を中心に、およそ1500人が参加しました。
パレードでは、新型の地対艦ミサイルシステム「バスチオン」が、初めて披露されました。「バスチオン」は、射程距離がおよそ300キロで、北方領土の択捉島におととしから配備されています。
また中東のシリアの軍事拠点にロシアが配備した最新の地対空ミサイルシステム「S400」も公開されました。
アメリカが日本や韓国で配備を進めるミサイル防衛システムに対して、ロシアは反発を強めており、最新鋭の兵器を誇示することで、アメリカや日本をけん制する狙いもあると見られます。
専門家「米に追いつきたい気持ちが表れている」
ロシア軍の兵器に詳しい未来工学研究所の小泉悠特別研究員は「ロシアはこの10年間ほど、弱点とされる無人兵器の充実に力を注ぎ、そろそろ配備を本格化させようと、ことし初めて中型無人機を公開した。軍事力で遅れを取っているアメリカに追いつきたいという気持ちが表れている」と分析しています。
小泉氏によりますと、ことし公開された無人戦闘車両「ウラン」は遠隔での操縦が可能で、シリアのパルミラでは実戦に使われたということです。
また、マッハ10で飛行する超音速ミサイル「キンジャール」については、「NATOの防空システムを突破できるとアピールしている。すでに10機の戦闘機が搭載用に改造され、近く実戦配備される見通しだ」と述べました。
さらに移動式の長距離弾道ミサイル「ヤルス」については「ロシアは核戦力を重視し、毎年20発の長距離弾道ミサイルを調達している。今世界で最も多く作っているのは、アメリカでも中国でもなくロシアだ」と指摘しました。
このほか、北方領土の択捉島におととし配備された新型の地対艦ミサイルシステム「バスチオン」については「オホーツク海を航行する原子力潜水艦を守るのが目的だ。ロシア軍は現在、千島列島の松輪島に軍事基地を作ろうとしており、バスチオンが追加配備される可能性がある」と述べました。
5月9日 21時25分
ロシアの首都モスクワで、第2次世界大戦で勝利したことを記念する軍事パレードが行われ、ロシア軍が開発を進める最新の無人兵器などが公開されました。
ロシアでは、5月9日は第2次世界大戦の戦勝記念日とされ、各地で軍事パレードが行われます。
このうちモスクワの赤の広場では、プーチン大統領をはじめ1万3000人以上の兵士が参加する大規模な軍事パレードが行われました。
ことしは偵察などの任務に使われるドローンの「コルサール」や攻撃機への転用も可能な無人ヘリコプターなど最新の無人兵器が次々と披露されました。
またマッハ10で飛行する超音速ミサイル「キンジャール」も戦闘機に搭載した状態で公開され、ロシア軍の攻撃力を誇示していました。
一方、プーチン大統領は演説で、「ロシアは、国際社会の安定に向けすべての面で対話の用意がある。互いに尊重し合うことで、安定はより確かなものになる」と述べ、対話を重視する姿勢も示しています。
ロシアは欧米に対する強硬な姿勢とは対照的に、軍事予算は減少傾向にあり、これ以上の関係悪化は避けたい思惑もうかがえます。
択捉島に配備のミサイル初披露
軍事パレードは9日、ロシア各地で行われ、このうちロシア極東のウラジオストクでは、ロシア海軍の太平洋艦隊の軍人を中心に、およそ1500人が参加しました。
パレードでは、新型の地対艦ミサイルシステム「バスチオン」が、初めて披露されました。「バスチオン」は、射程距離がおよそ300キロで、北方領土の択捉島におととしから配備されています。
また中東のシリアの軍事拠点にロシアが配備した最新の地対空ミサイルシステム「S400」も公開されました。
アメリカが日本や韓国で配備を進めるミサイル防衛システムに対して、ロシアは反発を強めており、最新鋭の兵器を誇示することで、アメリカや日本をけん制する狙いもあると見られます。
専門家「米に追いつきたい気持ちが表れている」
ロシア軍の兵器に詳しい未来工学研究所の小泉悠特別研究員は「ロシアはこの10年間ほど、弱点とされる無人兵器の充実に力を注ぎ、そろそろ配備を本格化させようと、ことし初めて中型無人機を公開した。軍事力で遅れを取っているアメリカに追いつきたいという気持ちが表れている」と分析しています。
小泉氏によりますと、ことし公開された無人戦闘車両「ウラン」は遠隔での操縦が可能で、シリアのパルミラでは実戦に使われたということです。
また、マッハ10で飛行する超音速ミサイル「キンジャール」については、「NATOの防空システムを突破できるとアピールしている。すでに10機の戦闘機が搭載用に改造され、近く実戦配備される見通しだ」と述べました。
さらに移動式の長距離弾道ミサイル「ヤルス」については「ロシアは核戦力を重視し、毎年20発の長距離弾道ミサイルを調達している。今世界で最も多く作っているのは、アメリカでも中国でもなくロシアだ」と指摘しました。
このほか、北方領土の択捉島におととし配備された新型の地対艦ミサイルシステム「バスチオン」については「オホーツク海を航行する原子力潜水艦を守るのが目的だ。ロシア軍は現在、千島列島の松輪島に軍事基地を作ろうとしており、バスチオンが追加配備される可能性がある」と述べました。