5月8日 21時06分
中国の李克強首相が8日夜、羽田空港に到着しました。李首相は9日、日本、中国、韓国の3か国による首脳会議に出席するほか、安倍総理大臣と首脳会談を行うことにしていて、一連の日程を通じて日中関係のさらなる改善につながるかが焦点です。
中国の李克強首相を乗せた特別機は、8日午後7時半前、東京の羽田空港に到着し、雨が降りしきる中、降り立った李首相を河野外務大臣らが出迎えました。
李首相は、就任後初めての訪日で、中国の首相の公式訪問としては2010年以来、8年ぶりです。
多くの報道陣が待ち受ける中、厳重な警備が敷かれ、李首相は、車で滞在先の都内のホテルに向かいました。
李首相は9日、日中韓3か国の首脳会議に出席するほか、安倍総理大臣と首脳会談を行います。また、10日には天皇陛下と会見し、その後、北海道を訪れる予定です。
このうち、日中首脳会談では、海上や空での偶発的な衝突を避けるため、緊急時に連絡を取り合う「連絡メカニズム」の運用開始で正式に合意する方針です。
また、中国側は、新たに2羽のつがいのトキを日本に提供する方針を示す見通しです。
ことしは、日中平和友好条約の締結から40年の節目の年で、こうした機運をきっかけに日中双方とも政治的な相互信頼を高めていきたい考えで、一連の日程を通じて日中関係のさらなる改善につながるかが焦点です。
たびたび来日の過去も
李克強首相は、内陸部・安徽省出身の62歳。
名門、北京大学に入学し、法律を学んだあと、共産党の青年組織である共青団=共産主義青年団に参加し、1985年には、当時の福田赳夫総理大臣の招きで中国青年代表団の副団長として来日するなど、たびたび日本を訪れていますが、首相に就任してからは初めての来日となります。
李首相は、河南省や遼寧省のトップを務めたあと、2007年の党大会で、習近平氏とともに、異例の2階級特進で最高指導部の政治局常務委員に抜てきされましたが、当時の序列は習氏の1つ下の7位で、習氏に水を空けられた形となりました。
その後、2012年から発足した習近平指導部で習氏に次ぐ序列2位として、首相を務めています。
