海自訓練事故死 神戸の隊員遺族が損害賠償求め提訴
2018/5/1 20:55
https://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/201805/0011216399.shtml
海上自衛隊潜水医学実験隊(神奈川県横須賀市)で2014年5月、訓練水槽に潜った隊員2人が死亡した事故で、2等海尉=当時(47)、死亡後1等海尉に昇任=を亡くした神戸市東灘区に住む母親(79)が、国は事故防止の義務を怠ったとして、約7100万円の損害賠償を求める訴訟を神戸地裁に起こしたことが1日、分かった。
訴状などによると、事故は同年5月23日、酸素入りの空気を送るための装置を身に着けて潜水した際に発生。2等海尉は深さ約11メートルの水中で低酸素状態となり、意識を失って翌日に亡くなった。救助しようとした別の隊員=当時(50)=も同年6月に死亡した。
同実験隊の報告書は、装置の定期検査で使った窒素ガスを抜くことを怠り、空気を送る管の中に窒素ガスが残っていたことなどが原因とした。母親側は、国に安全対策を実施する義務があったと主張している。
海自は16年6月、注意義務を怠ったとして、業務上過失致死の疑いで、実験隊に所属していた1等海曹を書類送検したが、17年4月に不起訴処分となっている。海自横須賀地方総監部は「コメントは差し控えたい」としている。