特殊詐欺、日本人学生は使い捨て要員≠ゥ 中国版LINEで「受け子」役に指示…背後に犯罪組織
2018.5.1 16:21
http://www.sankei.com/smp/west/news/180501/wst1805010048-s1.html
特殊詐欺に関わったとして今年1月に中国人とともに兵庫県警に逮捕された日本人の男子大学生(20)が、無料通信アプリ「LINE(ライン)」の中国版とも呼ばれるアプリを通じ、犯行の指示を受けていたことが、捜査関係者への取材で分かった。
大学生は被害者からキャッシュカードを受け取る「受け子」役で、指示を出していたのは中国国内の犯罪組織とみられる。県警はアプリを悪用した中国組織の暗躍に警戒を強めている。
捜査関係者によると、逮捕された大学生が利用していたアプリは「微信(ウィーチャット)」。LINEと同様、スマートフォンの画面上などでメッセージをやり取りできる。
大学生は「出会い系アプリの書き込みでアルバイトを見つけて応募した。指示は微信から日本語でメッセージが来た」と供述したという。
県警は1月末、百貨店員を装いカードをだまし取る特殊詐欺の電話が相次いでいた兵庫県宝塚市内で、中国人と一緒にいた大学生を任意同行。高齢女性からカード2枚をだまし取り、現金100万円を引き出していた疑いが強まったとして、詐欺容疑などで逮捕した。
一方、大学生とともに逮捕された中国人の男(29)は、昨年7月以降だけで6回も来日しており、現金を引き出す「出し子」役だったとされる。県警は中国の犯罪組織が事件を主導した可能性が高く、逮捕された中国人の男が送金役も兼ねていたとみて捜査している。
大学生は微信からの指示について送信元は把握していなかったというが、捜査関係者は「被害者と直接接触しなければならない受け子は逮捕のリスクが高く、日本語を話す必要がある。組織側が会話もできる“使い捨て”要員として日本人を雇ったのではないか」との見方を示している。
>>2以降へ続く