◆豪、移民制限の発言続く 「多文化主義」脅かす?
年間20万人近くの移民を受け入れているオーストラリアで、与党政治家から移民制限の発言が続き、議論を呼んでいる。内相がターンブル首相らに移民を減らすよう進言したとの報道が流れ、アボット前首相も、移民制限を支持。同国の伝統的な「多文化主義」を脅かす発言と、物議をかもしている。
発端となったのは4月上旬の地元紙オーストラリアンの報道だ。保守強硬派で知られるダットン内相が2017年、年間の移民受け入れ数を19万から17万人に減らすようにターンブル氏や閣僚に進言したと伝えた。
ターンブル氏は報道を「全くのデマ」と完全否定したが、アボット氏はラジオのインタビューで「賃金上昇や、適正価格で買える住宅を望むなら、移民の制限がいいだろう」と、ダットン氏を擁護。「つい最近までは(多文化主義に反するため)移民制限の話をするのもタブーだった」と、議論を呼び掛けた。
オーストラリアは1970年代から多文化主義を掲げ、世界各国から幅広く移民を受け入れてきた。こうした政策が経済成長や人口増加を下支えした一方で、都市部への人口集中による住居価格の高騰やインフラ不足に不満を抱き、移民に反発する層もいる。
ターンブル氏も17年4月に就労ビザの発給条件の厳格化を打ち出し「豪州の労働者が最優先」と発言している。ダットン氏も「就労ビザから永住権申請の道が開かれ、移民の流入につながる」と指摘し、就労ビザで滞在した後に永住権を申請できないようにすると言明していた。
日本経済新聞 2018/4/18 18:47
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29537980Y8A410C1FF1000/
年間20万人近くの移民を受け入れているオーストラリアで、与党政治家から移民制限の発言が続き、議論を呼んでいる。内相がターンブル首相らに移民を減らすよう進言したとの報道が流れ、アボット前首相も、移民制限を支持。同国の伝統的な「多文化主義」を脅かす発言と、物議をかもしている。
発端となったのは4月上旬の地元紙オーストラリアンの報道だ。保守強硬派で知られるダットン内相が2017年、年間の移民受け入れ数を19万から17万人に減らすようにターンブル氏や閣僚に進言したと伝えた。
ターンブル氏は報道を「全くのデマ」と完全否定したが、アボット氏はラジオのインタビューで「賃金上昇や、適正価格で買える住宅を望むなら、移民の制限がいいだろう」と、ダットン氏を擁護。「つい最近までは(多文化主義に反するため)移民制限の話をするのもタブーだった」と、議論を呼び掛けた。
オーストラリアは1970年代から多文化主義を掲げ、世界各国から幅広く移民を受け入れてきた。こうした政策が経済成長や人口増加を下支えした一方で、都市部への人口集中による住居価格の高騰やインフラ不足に不満を抱き、移民に反発する層もいる。
ターンブル氏も17年4月に就労ビザの発給条件の厳格化を打ち出し「豪州の労働者が最優先」と発言している。ダットン氏も「就労ビザから永住権申請の道が開かれ、移民の流入につながる」と指摘し、就労ビザで滞在した後に永住権を申請できないようにすると言明していた。
日本経済新聞 2018/4/18 18:47
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29537980Y8A410C1FF1000/