http://www.afpbb.com/articles/-/3171593?act=all
2018年4月18日 13:04 発信地:パリ/フランス
【4月18日 AFP】ジェローム・アモン(Jerome Hamon)さん(43)は、「3つの顔を持つ男」という新たなニックネームに慣れつつある──。今年初め、世界初となる同一患者への2回目の顔の全面移植手術を彼は受けたのだ。
2回目の手術から3か月が経過した。アモンさんはフランス・パリの病院にまだ入院中だが、彼はすでに新たな「自分」を受け入れている様子だ。
アモンさんの新しい顔はまだのっぺりとして動きがなく、頭蓋骨や皮膚、顔の各部位の調整もこれからだ。免疫抑制剤を投与しながら、移植部位に拒絶反応が出ないよう慎重に段階的なプロセスを踏んでいるのだという。
1月15日と16日に手術を受けたアモンさんは先週、記者らの取材に応じ、「とても気分が良い」とコメントした。しゃべることに苦労しながらも、これまで受けた大がかりな治療についてしっかりと説明し、「この全部から解放されるのが待ち遠しい」と語った。
治療はパリのジョルジュ・ポンピドー欧州病院(Georges Pompidou European Hospital)で行われた。多段階の治療でチームを率いた形成外科のロラン・ランティエリ(Laurent Lantieri)教授と病院スタッフらによる慎重な対応が成功を導いた。
2010年7月にアモンさんの1回目の手術を執刀したのも同じくランティエリ教授だった。この時の手術は、涙管とまぶたを含む世界初の顔の全面移植手術となった。
アモンさんが患っているのは神経線維腫症I型として知られる難病で、遺伝性の疾患で整容的に大きな問題を引き起こす神経線維腫のほか、合併症として多くの症状が現れる。
2010年の最初の顔面移植は成功した。だがその年、かぜの治療のために投与された抗生物質がアモンさんの免疫抑制治療と合わず、2016年になって移植の拒絶反応の兆候が表われ始めた。
アモンさんは2017年夏に再び入院した。移植した顔は11月に壊死してしまったため、除去手術が行われた。その後は、患部が除去されたままの状態で2か月間入院を続けるという非常に厳しい時間に耐えながら適合性のあるドナーを待った。
■「嬉しい、これが僕だ」
その時に様子について麻酔医のベルナール・ショリー(Bernard Cholley)氏は、「待っている間、決して不満を口にしなかったし、機嫌が良かったほどだ」と述べ、病院の誰もが「ジェロームさんの勇気と意志、そしてあのような難しい状況下での心の強さに圧倒された」と語った。
そして、ついにドナーが見つかった。パリから数百キロ離れた場所で亡くなった22歳男性だった。ランティエリ教授らは1月のある日曜日にこの知らせを受け、輸送と手術に向けた準備が急遽開始された。ドナーの顔は、月曜日にはパリの病院に到着した。
アモンさんの手術は、その翌日の昼前には終った。担当した医療チームは彼の新たな顔に現れた健康な顔色に励ましを受けたという。
病院の腎臓専門医は、移植前の3か月間、拒絶反応を避けるためアモンさんに特別な血液治療を施したことを説明した。
「僕は最初の移植を直ぐに受け入れた。『これが自分の新しい顔だ』と思ったし、今回も同じだ」とアモンさん。「もしこの新しい顔を受け入れられなかったら、ひどいことになっただろう。アイデンティティの問題だから…でもこのとおり。嬉しい、これが僕だ」
2005年にフランス人女性のイザベル・ディノワール(Isabelle Dinoire)さんが仏北部で世界初の顔面移植手術を受けてから、世界ではこれまで約40件の顔面移植手術が実施されている。(c)AFP/Hugues HONORE
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2018年4月18日 13:04 発信地:パリ/フランス
【4月18日 AFP】ジェローム・アモン(Jerome Hamon)さん(43)は、「3つの顔を持つ男」という新たなニックネームに慣れつつある──。今年初め、世界初となる同一患者への2回目の顔の全面移植手術を彼は受けたのだ。
2回目の手術から3か月が経過した。アモンさんはフランス・パリの病院にまだ入院中だが、彼はすでに新たな「自分」を受け入れている様子だ。
アモンさんの新しい顔はまだのっぺりとして動きがなく、頭蓋骨や皮膚、顔の各部位の調整もこれからだ。免疫抑制剤を投与しながら、移植部位に拒絶反応が出ないよう慎重に段階的なプロセスを踏んでいるのだという。
1月15日と16日に手術を受けたアモンさんは先週、記者らの取材に応じ、「とても気分が良い」とコメントした。しゃべることに苦労しながらも、これまで受けた大がかりな治療についてしっかりと説明し、「この全部から解放されるのが待ち遠しい」と語った。
治療はパリのジョルジュ・ポンピドー欧州病院(Georges Pompidou European Hospital)で行われた。多段階の治療でチームを率いた形成外科のロラン・ランティエリ(Laurent Lantieri)教授と病院スタッフらによる慎重な対応が成功を導いた。
2010年7月にアモンさんの1回目の手術を執刀したのも同じくランティエリ教授だった。この時の手術は、涙管とまぶたを含む世界初の顔の全面移植手術となった。
アモンさんが患っているのは神経線維腫症I型として知られる難病で、遺伝性の疾患で整容的に大きな問題を引き起こす神経線維腫のほか、合併症として多くの症状が現れる。
2010年の最初の顔面移植は成功した。だがその年、かぜの治療のために投与された抗生物質がアモンさんの免疫抑制治療と合わず、2016年になって移植の拒絶反応の兆候が表われ始めた。
アモンさんは2017年夏に再び入院した。移植した顔は11月に壊死してしまったため、除去手術が行われた。その後は、患部が除去されたままの状態で2か月間入院を続けるという非常に厳しい時間に耐えながら適合性のあるドナーを待った。
■「嬉しい、これが僕だ」
その時に様子について麻酔医のベルナール・ショリー(Bernard Cholley)氏は、「待っている間、決して不満を口にしなかったし、機嫌が良かったほどだ」と述べ、病院の誰もが「ジェロームさんの勇気と意志、そしてあのような難しい状況下での心の強さに圧倒された」と語った。
そして、ついにドナーが見つかった。パリから数百キロ離れた場所で亡くなった22歳男性だった。ランティエリ教授らは1月のある日曜日にこの知らせを受け、輸送と手術に向けた準備が急遽開始された。ドナーの顔は、月曜日にはパリの病院に到着した。
アモンさんの手術は、その翌日の昼前には終った。担当した医療チームは彼の新たな顔に現れた健康な顔色に励ましを受けたという。
病院の腎臓専門医は、移植前の3か月間、拒絶反応を避けるためアモンさんに特別な血液治療を施したことを説明した。
「僕は最初の移植を直ぐに受け入れた。『これが自分の新しい顔だ』と思ったし、今回も同じだ」とアモンさん。「もしこの新しい顔を受け入れられなかったら、ひどいことになっただろう。アイデンティティの問題だから…でもこのとおり。嬉しい、これが僕だ」
2005年にフランス人女性のイザベル・ディノワール(Isabelle Dinoire)さんが仏北部で世界初の顔面移植手術を受けてから、世界ではこれまで約40件の顔面移植手術が実施されている。(c)AFP/Hugues HONORE
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