>6
アメリカの天才少年(14歳の時に自宅ガレージに核融合装置作った人)も東北来たってよ
http://tameike.net/comments.htm <4月9日>(月)
○本日、天才を見てしまった。本物の天才である。ワシが今まで知っている天才の中では、初めて見る将棋指し以外の天才である。
天才は若くて美しい。その名をテイラー・ウィルソン(Taylor Wilson)君という。適当にググって見ていただきたい。とんでもない才能である。
○今日と明日、2日間、都内で第51回JAIF年次総会というものが開かれていて、要は日本原子力産業協会の総会である。
本日、ワシはその第1セッション第1部の司会を担当したのだが、そんなことはどうでもよろしい。来年になったら、おそらく誰も覚えてはいない話である。
この会議にゲストとして呼ばれ、基調講演を行ったのがアメリカ人の若き物理学者、ウィルソン君なのである。彼の演題は「核融合で遊んだ少年」であった。
○ウィルソン君は1994年生まれ。あの羽生結弦君と同じ年である。体型もフィギュアの金メダリストにそっくりで、壇上に上がるととにかく細い。
最初見た時に、てっきり女性かと思ったくらいだ(テイラーという名前は、男女ともにある)。そのほっそりとした23歳の若者が、ピンマイクだけをつけて壇上に上がると、すごい勢いで語り始める。
まるで若き日のスティーブ・ジョブズ氏のように。
○ウィルソン君は幼いころから科学少年だった。宇宙に、物理学に興味を持ち、核融合炉を作りたいと念願した。
12歳の時に、ロス・アラモスで師匠と呼べる人に出会い、14歳の時に自宅のガレージで本当に核融合の装置を作ってしまった。
17歳の時に、そのことについて語った映像がこちら。オバマ大統領に対して、最新技術をブリーフィングしたんだそうです。
○ちなみに5年前、ウィルソン君が高校卒業の頃に語った映像も紹介しておきましょう。小型核分裂炉で世界を変えると宣言している。
ハッタリではありませんよ。彼には既に投資家がついておりまして、今では立派な起業家です。もしもワシがベンチャーキャピタルを経営していたら、即座に彼に白紙小切手を渡してしまうであろう。
○で、本日昼、会議関係者が別室で昼飯を食べる段になったら、ウィルソン君がワシの前に座ったのである。日本は初めて?と聞いたら、うん、そうだよ、と答える。
日本で投資家探しをするの?と聞いたら、そんなことしないけど、1週間ほど滞在するし、これから福島に連れて行ってもらえるんだよ、と言うのである。
もちろんただの福島県のことではない。廃炉作業中の福島第一原子力発電所のことである。
○あそこはね、僕も3年前に行ったけど、防護服を着るととっても重いんだよ、てなことを言うと、キラキラした目で、うん、でもとっても楽しみ、というのである。
たぶん天才の眼には、われわれとはまったく違う景色が見えているのだと思う。天才は概ね楽天主義者である。そして楽天主義者は、得てして悲観主義者が思っても見なかったような業績を上げてしまうものである。
○で、ここからはクローズドの世界。会議でプレゼンを担当した一同には、お昼にかなり立派な箱弁当が配布されていた。ところがウィルソン君は、ベジタリアン用の特製箱弁当を開けて、「これ、どうやって食べたらいいんだろう?」と真面目に悩んでいたようであった。
会場の担当者が、ナイフとフォークを持ってきてくれた。オヤジ世代としては、「キミさあ、若いんだからもっと肉食えよ」みたいなことを言いたくなるのであるが、新世代の若者はコーヒー、紅茶さえ飲まないのであった。ううむ。
○それにしても、こういう若者に徹底的にチャンスを与えて、とことん大成功させてしまおう、というアメリカ社会の奥深さには敬服するほかはない。
たぶん足を引っ張ろうとする人はいないんでしょうね。大谷翔平や藤井六段に嫉妬するなんてことは、みっともないことこの上ありません。
たぶんこれからウィルソン君はすごいことになりまっせ。ノーベル賞くらいでは済まないと思います。彼はたぶん、本気で世界を変えようと思っています。
○ということで、今日はいいものを視させてもらいました。テイラー・ウィルソンという名前、覚えておいて損はないですぞ。