http://www.afpbb.com/articles/-/3170254?cx_position=24
2018年4月6日 13:41 発信地:ゴマ/コンゴ民主共和国
【4月6日 AFP】コンゴ民主共和国で無法地帯と化している東部で、性的暴力や民族間抗争が増加しており、数百万人が家を捨てて避難を強いられる人道的な危機が生じている。
国連安全保障理事会(UN Security Council)が先週、全会一致で出した声明によると、同国で人道支援を必要とする人は少なくとも1310万人に上り、うち770万人は重度の食料不足に陥っている。だが政府はこれを誇張だとして否定している。
危機に対処するため、17億ドル(約1820億円)の資金調達を目標に来月スイス・ジュネーブ(Geneva)で開かれる大規模な援助会議への出席を同国は回避しており、国際社会との対立が続く中、東部地域ではレイプが増加している。
混乱するコンゴにおける集団レイプ被害者への取り組みでノーベル賞に3度ノミネートされている著名な婦人科医師ドニ・ムクウェゲ(Denis Mukwege)氏は、450床を有する東部ブカブ(Bukavu)のパンジー病院(Panzi Hospital)で、レイプ被害者に女性器の再建手術や総合ケアを行っている。同病院でAFPの取材に応じたムクウェゲ医師は「2015年には性的暴力が著しく減少したが、2016年末から2017年にかなり増加した」と述べた。
犠牲者の中には、米ディズニー(Disney)の人気キャラクター、ミニーマウス(Minnie Mouse)のTシャツを着ていた10歳の少女も含まれていた。この少女は2月にカビココレ(Kabikokole)村で武装集団に襲われた。
ムクウェゲ医師によると、レイプの犯人像は変化している。南キブ(South Kivu)州の性的暴行の大多数は民間人による犯行となっており、もはや治安部隊や武装集団によるものではないという。ただし、民間人の中には反政府勢力の戦闘員だった者が多数いるとされる。
さらに、東部地方では寄せ集めの民兵部隊や反政府組織、自警団、そしてコンゴ軍の間で繰り広げられる様々な紛争により死者数が増加している。同国の紛争に関する研究NPO「コンゴ研究グループ(Congo Research Group)」によると「非民間人」、すなわちコンゴ軍兵士らの犯行だけで、2月には北キブ州で106人が死亡し、80人が拉致されている。
■搾取への報復か
同国東南部のタンガニーカ(Tanganyika)州では、ピグミー(Pygmy)族とバントゥー(Bantu)系民族ルバ(Luba)族の衝突もまた数千人規模の避難をもたらしている。トゥワ(Twa)族系のピグミー(Pygmy)族は、彼らを二級市民とみなすバントゥー系民族としばしば紛争になっている。
民族間の緊張は、コンゴが1960年にベルギーからの独立を獲得する前にさかのぼる。土地を所有するバントゥー系民族は、狩猟採集民を搾取して農作業にわずかな賃金しか払わなかったり、酒や煙草を与えるだけで済ませたりしていると非難されていた。
一方のバントゥー族は、村全体の焼き討ちや妊娠した女性の虐殺、住民が矢で射られて殺害されるなど、残忍な攻撃を受けてきた。
援助活動家らによると、2016〜17年には暴力行為の急増で、最高65万人が避難を余儀なくされた。今日では、約6万7000人のバントゥー系民族が、カタンガ(Katanga)州の州都カレミエ(Kalemie)周辺にある12の避難民キャンプに住んでいる。
タンガニーカ州のリチャード・ンゴイ・キタンガラ(Richard Ngoy Kitangala)州知事は「この2月、われわれは大規模な会議を組織し、ピグミー族の首長らを招いた。和解を行ったのだ」と語った。しかし、これに対し、カレミエから40キロ離れた村から避難してきた男性ピエロさんは「それは違う、和解はない」と異議を唱えた。「ピグミー族は今も人々を脅かし、殺害している…平和が続いているなら、われわれは家に戻るだろう」(c)AFP/Samir TOUNSI
2018年4月6日 13:41 発信地:ゴマ/コンゴ民主共和国
【4月6日 AFP】コンゴ民主共和国で無法地帯と化している東部で、性的暴力や民族間抗争が増加しており、数百万人が家を捨てて避難を強いられる人道的な危機が生じている。
国連安全保障理事会(UN Security Council)が先週、全会一致で出した声明によると、同国で人道支援を必要とする人は少なくとも1310万人に上り、うち770万人は重度の食料不足に陥っている。だが政府はこれを誇張だとして否定している。
危機に対処するため、17億ドル(約1820億円)の資金調達を目標に来月スイス・ジュネーブ(Geneva)で開かれる大規模な援助会議への出席を同国は回避しており、国際社会との対立が続く中、東部地域ではレイプが増加している。
混乱するコンゴにおける集団レイプ被害者への取り組みでノーベル賞に3度ノミネートされている著名な婦人科医師ドニ・ムクウェゲ(Denis Mukwege)氏は、450床を有する東部ブカブ(Bukavu)のパンジー病院(Panzi Hospital)で、レイプ被害者に女性器の再建手術や総合ケアを行っている。同病院でAFPの取材に応じたムクウェゲ医師は「2015年には性的暴力が著しく減少したが、2016年末から2017年にかなり増加した」と述べた。
犠牲者の中には、米ディズニー(Disney)の人気キャラクター、ミニーマウス(Minnie Mouse)のTシャツを着ていた10歳の少女も含まれていた。この少女は2月にカビココレ(Kabikokole)村で武装集団に襲われた。
ムクウェゲ医師によると、レイプの犯人像は変化している。南キブ(South Kivu)州の性的暴行の大多数は民間人による犯行となっており、もはや治安部隊や武装集団によるものではないという。ただし、民間人の中には反政府勢力の戦闘員だった者が多数いるとされる。
さらに、東部地方では寄せ集めの民兵部隊や反政府組織、自警団、そしてコンゴ軍の間で繰り広げられる様々な紛争により死者数が増加している。同国の紛争に関する研究NPO「コンゴ研究グループ(Congo Research Group)」によると「非民間人」、すなわちコンゴ軍兵士らの犯行だけで、2月には北キブ州で106人が死亡し、80人が拉致されている。
■搾取への報復か
同国東南部のタンガニーカ(Tanganyika)州では、ピグミー(Pygmy)族とバントゥー(Bantu)系民族ルバ(Luba)族の衝突もまた数千人規模の避難をもたらしている。トゥワ(Twa)族系のピグミー(Pygmy)族は、彼らを二級市民とみなすバントゥー系民族としばしば紛争になっている。
民族間の緊張は、コンゴが1960年にベルギーからの独立を獲得する前にさかのぼる。土地を所有するバントゥー系民族は、狩猟採集民を搾取して農作業にわずかな賃金しか払わなかったり、酒や煙草を与えるだけで済ませたりしていると非難されていた。
一方のバントゥー族は、村全体の焼き討ちや妊娠した女性の虐殺、住民が矢で射られて殺害されるなど、残忍な攻撃を受けてきた。
援助活動家らによると、2016〜17年には暴力行為の急増で、最高65万人が避難を余儀なくされた。今日では、約6万7000人のバントゥー系民族が、カタンガ(Katanga)州の州都カレミエ(Kalemie)周辺にある12の避難民キャンプに住んでいる。
タンガニーカ州のリチャード・ンゴイ・キタンガラ(Richard Ngoy Kitangala)州知事は「この2月、われわれは大規模な会議を組織し、ピグミー族の首長らを招いた。和解を行ったのだ」と語った。しかし、これに対し、カレミエから40キロ離れた村から避難してきた男性ピエロさんは「それは違う、和解はない」と異議を唱えた。「ピグミー族は今も人々を脅かし、殺害している…平和が続いているなら、われわれは家に戻るだろう」(c)AFP/Samir TOUNSI