定番のノート「ジャポニカ学習帳」に、“大人向け”が加わった。ショウワノートはこの春、「大人のジャポニカ学習帳」を発売した。第1弾として、「スヌーピー」や「ムーミン」、ディズニー作品など、世界の名作に登場するキャラクターを表紙にデザインした「愛されつづける名作シリーズ」を展開する。
どのような部分が大人向けなのか。そして、なぜ名作のキャラクターをテーマにしているのか。同社に聞いた。
●ジャポニカを通して名作を知る
ジャポニカ学習帳といえば、植物や昆虫などの写真をデザインした表紙で長年親しまれてきた。今回の名作シリーズのコンセプトについて、ショウワノートの担当者は「これまでジャポニカ学習帳という“フレーム”を通して、小学生が自然に興味を持つきっかけづくりをしてきました。認知度が高いこの枠を使って、自然以外にも何かを知るきっかけを提供できるのでは、と考えました」と説明する。その一環として、「相撲」「歌舞伎」「将棋」をテーマにした「日本の伝統文化シリーズ」も展開している。
今回の名作シリーズには、大人向けのほか、従来と同じ小学生向け商品もある。表紙に採用されている作品は、「ピーナッツ」「ムーミン」「ミッフィー」「ディズニー作品」。大人向けと子ども向けで、それぞれ8種類を展開する。
ジャポニカ学習帳はこれまで小学生向けに特化してきたが、子どもの母親たちに話を聞いてみると、「今でもあえてジャポニカ学習帳を使っている」という声もあるという。「昔から慣れ親しんだ、安心できるブランドとして、大人に向けて商品展開してもいいのでは」と考えた。
名作シリーズには、親子2世代以上にわたって、長く愛されている作品を採用。親子で一緒に楽しめるようにもなっている。「キャラクターが有名でも、作品の背景や作者については意外と知られていません。ジャポニカ学習帳を通して、あらためて興味を深めてもらえたら」と担当者は話す。ノートには、作品やキャラクターにまつわる読み物のページも付いている。
●「おじいちゃんのノート」の水平開きを採用
大人向けと子ども向けで最も異なるのが、ノートの大きさだ。子ども用は通常商品と同じB5サイズだが、大人用は小さめのA5サイズ。中身も、子ども用は方眼罫、大人用は横罫。「幅広い世代の大人の女性にとって、使い勝手が良いように」と意識している。
また、大人向けには、「おじいちゃんのノート」として知られる、中村印刷所(東京都北区)の「水平開き製本」を採用している。左右のページに段差を作らず、180度水平に開くことができる製本技術だ。ショウワノートはこの特許技術の提供を受け、17年11月に共同開発商品「水平開きノート」を発売。今回、ジャポニカ学習帳にもその技術を採用した。
ノートに付いている読み物ページの内容も、大人向けと子ども向けで異なる。子ども向けは基礎的な情報や豆知識が中心。それに対して、大人向けには作者の思いや作品のメッセージ、登場人物の名言などを盛り込み、一歩踏み込んだ情報を掲載している。担当者は「名作に触れることで、日常の“癒やし”になれば」と話している。
大人向けは1冊480円、子ども向けは180円(税別)。
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