米韓合同軍事演習が1日、韓国周辺で始まった。韓国国防省が明らかにした。昨年は史上最大規模で、原子力空母や戦略爆撃機といった米戦略兵器も加わって行われたが、今回は姿が見えない。米韓が、南北や米朝の首脳会談を控えた対話の雰囲気に配慮した形だ。
同省などによれば、米韓は戦術を確認する野外機動演習「フォール・イーグル」を4月1日から約4週間、朝鮮半島有事の際に海外の米軍が朝鮮半島に増援する演習「キー・リゾルブ」を4月中旬から5月初めにかけて行う。例年は3月初旬から4月末まで2カ月かけて行われており、今回は平昌(ピョンチャン)冬季五輪・パラリンピックの期間を避けたうえで期間を半減した。
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は3月の韓国特使団との会談で、米韓演習について例年通りの水準での実施に理解を表明。韓国の文在寅(ムンジェイン)政権も朝鮮半島の平和定着を最重視しており、米韓関係筋によれば、米国はこれに理解を示したという。
一方で米韓両軍は、演習の内容や規模は「例年通り」と強調している。1〜8日には、有事の際に攻撃を防ぎながら、同時に反撃して北朝鮮の占領を目指すことを想定した「双竜訓練」も行う。北朝鮮に対して武力挑発を抑止し、圧力をかけ続けるという姿勢は堅持している。(ソウル=牧野愛博)
2018年4月1日18時55分
朝日新聞デジタル
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