神戸市が2018年度から、人事異動の際の辞令交付を廃止することが30日、同市への取材で分かった。これまで係長級以上は市長が1人ずつ紙の辞令を手渡していた。ペーパーレス(紙の節約)化と交付式の時間削減が狙い。職員が閲覧できる庁内ネットワークに異動通知を掲載し、既に対象者には上司らが口頭で内示して済ませたという。
市によると、過去には神戸・ポートアイランドの神戸国際会議場で交付式を行ったこともあったが、近年は市役所の会議室で階級別に4回に分け、市長が辞令を渡し訓示していた。18年度から辞令を交付せず、久元喜造市長が課長級以上の職員にまとめて訓示する。
市人事課は「職員の負担軽減のために業務改革を進める時代の流れから、見直しに踏み切った」と説明。大阪市など複数の政令市が既に取りやめているという。退職者と新規採用者への辞令交付は行う。
神戸市職員からは「市長と顔を合わせる貴重な機会で、決意を新たにする場だったのに」と戸惑いの声も。一方、兵庫県は紙の辞令の廃止を「検討したことはある」としつつ、18年度も従来通り、井戸敏三知事が課長級以上の職員に手渡す。県人事課は「新年度の課題、目標を意識づける意味合いもある」と辞令交付の意義を強調する。(若林幹夫)
2018/3/31 07:00
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